1986 Fiscal Year Annual Research Report
Siデバイスにおける拡散バリアとしての遷移金属ナイトライドに関する研究
Project/Area Number |
60550463
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
伊藤 太一郎 阪府大, 工学部, 助教授 (10081366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
間渕 博 大阪府立大学, 工学部, 講師 (70109883)
森井 賢二 大阪府立大学, 工学部, 講師 (10101198)
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Keywords | Siデバイス / イオンプレーティング(IP)法 / 拡散バリア / TiN膜 / 固相反応 |
Research Abstract |
前年度は(100)SiとAlの固相反応を防ぐためにTiN相を単独で拡散バリアとする(100)Si/TiN/Al系については高温まで安定なTiN膜を成膜することはできなかった。今年度はSi表面の清浄化にとくに留意して、もう一度(1)(100)Si/TiNの高温における安定性を調べるとともに、(2)(100)/Ti/TiNについても同様な試験を行なった。その際(1),(2)について他の成膜条件を一定にしたまま、Tiの蒸発量を制御して、N/Ti〜1,〜0.8,および〜0.6の3種類のTiN膜を成膜した。 結果は概略次のとおりである。 1.N/Ti比が減少するにつれてTiNは(200)配向から(111)配向に変化し、Tin膜の色は金色から褐色に変化する。焼鈍によっても配向性に変化はなかった。 2.(1),(2)とも膜は最初強い圧縮応力を持つが、温度の上昇とともに引張り応力に変化する。とくに(2)においてはTi【Si_2】の形成とともに強い引張り応力を持つに至る。 3.(1),(2)ともN/Ti〜0.8,〜1の試料は1000℃までハク離せず安定であったが、〜0.6の試料は500℃でハク離した。 4.(1)ではN/Ti〜1の場合1000℃3hrの焼鈍ではじめてSi/TiN界面に【Si_3】【N_4】の存在が電子回折によって認められた。N/Ti〜0.8の場合400℃以上でN/Ti=1/1のTinとTiに変化していくようである。 5.(2)の場合700℃以上でTi【Si_2】(C54型)を形成し、Tin表面に凹凸を生じる。 6.以上の結果からSiの表面の清浄化に留意した(1)のSi/TiN(N/Ti〜1)が最も高温における安定性が優れているといえる。
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