1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60550528
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
西田 稔 愛媛大, 工学部, 講師 (60036374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水口 勝志 愛媛大学, 工学部, 助手 (70108405)
村上 善一 愛媛大学, 工学部, 教授 (10036212)
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Keywords | 溶接継手 / 残留応力軽減法 / 加熱・冷却併用処理 |
Research Abstract |
本研究に使用した溶接継手は、長さ、幅とも800mm、板厚12mmのSUS304オーステナイト系ステンレス鋼の中央部にX型開先を設け、裏面1層、表面2層の【CO_2】ガスシールド溶接を行なったものである。この溶接継手に、溶接部近傍(溶接線より両側30mmの範囲)のみを特殊なノズルを用い液体窒素にて-50℃〜-180℃に冷却する処理、溶接線より70mm離れた母材をプロパン一酸素炎にて140℃〜200℃に加熱する処理および溶接部近傍の冷却と母材加熱を併用する処理を施した。その後、X線回折法およびひずみゲージ法にて溶接線方向の残留応力を測定した。なお、併用処理の場合、冷却用の液体窒素の風圧と母材部への流入および加熱炎の溶接部への広がりを防止するため、加熱部と冷却部の間には鋼板と布状アスベストから成るカーテンを設けた。 溶接部近傍のみ冷却した場合、溶接のままでは200MPa以上の高い引張残留応力を示した溶接より20mm以内の残留応力は、冷却温度を-150℃以下にすれば、100MPa程度の引張残留応力まで軽減された。 母材部のみ加熱した場合、加熱温度を160℃以上とすると、上記と同様に溶接部近傍の引張残留応力は、100MPa程度まで軽減されるが、溶接のままで約100MPaの圧縮残留応力を示した母材加熱直下での残留応力が、30MPa〜50MPaの引張残留応力に転じ、その値を加熱温度の上昇とともに高くなる傾向があった。したがって、加熱温度を160℃以上にすることは、母材部での引張残留応力を100MPa以上にし、望ましいことではない。 溶接部近傍を-160℃に冷却し、同時に母材部を140℃に加熱する処理を行なった場合、母材加熱直下の残留応力を100MPa以上の引張残留応力に転じることなく、溶接部近傍の残留応力を50MPa以下の小さな引張残留応力まで軽減することができた。
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Research Products
(2 results)