1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60550645
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
明石 満 鹿大, 工学部, 助教授 (20145460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
町田 リヨ子 鹿児島大学, 工学部, 教務職員 (70167641)
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Keywords | マクロモノマー / ビニルピロリドン / ミクロスフェアー / ドラッグキャリアー / 高分子医薬 |
Research Abstract |
末端にカルボキシル基あるいはアミノ基を有するビニルピロリドンオリゴマーとクロロメチルスチレンあるいはメタクリル酸クロライドの反応により末端にビニルベンジル基あるいはメタクリロイル基を持つ親水性のビニルピロリドンマクロモノマーを合成した。分子量等のキャラクタリゼーションを行い、ラジカル重合および共重合性について調べた結果、単独重合性と汎用モノマーとの良好な共重合性を見い出した。特に反応性比の検討からは、一般のモノマーに比較して分子量により反応性が低下する傾向が認められた。疎水性モノマーとの共重合の際に、条件によってはミクロスフェアーが生成し電子顕微鏡観察の結果、球状である事が確認された。 高分子医薬研究の観点から、このミクロスフェアーをドラッグキャリアーとして応用する事を目的に、まず、医薬として用いられている5-フルオロウラシルやテオフィリンのメタクリロイルオキシエチル誘導体あるいはメタクリロイル誘導体等を合成した。これら薬理活性基を含むビニルモノマーを共重合の手法により、水に可溶化し高分子医薬とし、加水分解による薬理活性基の放出について調べた。次に、末端にビニルベンジル基を有するオリゴビニルピロリドンマクロモノマーとの共重合を行い、共重合体を得た。これは、水溶液中で良好な分散性を示し、薬理活性基の含量の多いミクロスフェアーであり、新しいタイプの高分子医薬になる可能性が認められた。次に、酵素分解あるいは加水分解による薬理活性基の放出について検討した結果、1)一般に、高分子化により徐放性が得られる、2)コモノマーの種類など共重合体の化学構造に影響される、3)水溶液中で用いる場合は、親水・疎水のバランスが重要である。4)親水性マクロモノマーとの共重合体は、医薬運搬の点で特にすぐれている等の結論を得た。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] M.Akashi;I.Kirikihira;N.Miyauchi: Angew.Makromol.Chem.132. 81-89 (1985)
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[Publications] M.Akashi;K.Beppu;I.Kikuchi;N.Miyauchi: J.Macromol.Sci.-Chem.A23. 1233-1249 (1986)
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[Publications] Polym.Lett.Ed.M.Akashi;M.Wada;S.Yanase;N.Miyauchi;: J.Polym.Sci.
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[Publications] M.Akashi;T.Yanagi;E.Yashima;N.Miyauchi: Angew.Makromol.Chem.
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[Publications] 嘉悦勲監修,明石満,竹本喜一: "高分子医薬の設計(『ドラッグデリバリーシステム』)" シーエムシー, 8 (1986)