1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60560335
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
森 純一 阪府大, 農学部, 教授 (90167685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉田 尋通 大阪府立大学, 農学部, 助手 (10155252)
沢田 勉 大阪府立大学, 農学部, 講師 (60081600)
森岡 宏至 大阪府立大学, 農学部, 講師 (20081599)
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Keywords | 牛 / 分娩 / 分娩前後 / エストロジェン / プロジェステロン / オキシトシン / 交感神経作動薬 / 分娩調整 |
Research Abstract |
ホルスタイン種牛を用いて、分娩前後の内分泌、行動および形態変化の検討を行った。内分泌変化は血中プロジェステロン(P),エストロン(【E_1】),エストラジオール(【E_2】),オキシトシン(OT)濃度をラジオイムノアッセイ(RIA)法で測定した。ステロイドホルモンについては分娩に先立ってP濃度が下降し、【E_1】および【E_2】濃度が上昇した。これらのホルモン濃度は分娩開始後は著しい変化を示さずに分娩の終了まで推移した。まだ、OTについては分娩開始数日前から若干上昇するものもあるが、大部分は分娩開始後に急上昇し、分娩時にピークに達した。これらホルモン濃度と分娩前徴との関係では、P濃度の下降と体温の下降との間に、まだ【E_1】および【E_2】濃度の上昇と外陰部や乳房の大きさの変化の間に密接な関係が認められた。また、OT濃度と陣痛や娩出の時期との間にも密接な関係が認められた。分娩前後の行動変化としては起立時間,起立回数,尾の挙上回数などを検討した。その結果、夜間の起立時間は分娩前2日間に著しく長くなるが、昼間の起立時間は分娩30日前から分娩当日までほとんど変化を示さなかった。起立回数は分娩3〜4日前より次第に増加する傾向を示し、分娩0〜1日前には最大となった。尾の挙上回数は分娩0〜1日前に著しく増加した。起立回数,尾の挙上回数の増加はともに昼間より夜間の方が顕著であった。これらのことから、分娩前の行動変化は夜間に顕著にあらわれるものと考えられる。また、交感神経作動薬の子宮運動に対する効果を分娩時の実験動物(ラット)を用いて検討した結果、陣痛抑制作用が認められ、分娩が遅延する傾向が認められた。このことから分娩調整への本薬の応用の可能性が考えられた。そこでβ-アドレナリン作動薬の牛への応用を試みたが、小頭数のため十分その効果を解明することは出来なかった。この点についてはさらに例数を増しての検討が必要である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 山村佳宏,玉田尋通,森純一: 家畜繁殖学雑誌. 32. 7-11 (1986)
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[Publications] 藤本泰裕,木村英司,沢田勉,森純一: 日本畜産学会報.
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[Publications] 藤本泰裕,木村英司,沢田勉,森純一: 日本畜産学会報.
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[Publications] 森純一,樋口隆,沢田勉,木村英司,藤本泰裕: 第103回日本獣医学会.