1986 Fiscal Year Annual Research Report
脳腸ホルモンの産生・分泌動態に及ぼす性ステロイドの影響
Project/Area Number |
60570016
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
清木 勘治 東海大, 医学部, 教授 (40055934)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花本 秀子 東海大学, 医学部, 助手 (50156824)
坂部 貢 東海大学, 医学部, 助手 (70162302)
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Keywords | 顎下腺 / 排出管系 / プロゲステロン受容体 / 上皮成長因子 / 神経成長因子 |
Research Abstract |
脳腸ホルモンの一部である顎下腺由来ホルモン、上皮成長因子(EGF)と神経成長因子(NGF)の産生分泌に性ステロイド、特にプロゲステロン(P)がどのように関与するかを検べる手始めに、ラット顎下腺のP受容体と、受容体細胞の局在とを検べたので報告する。 まず、P結合物質の性状を生化学的に、スキャチャード分析とP結合競合試験で検べた。その結果、顎下腺にはP結合特異性をもち、高い結合親和性(Kd=4.5×【10^(-9)】M)と低い結合能(Vmax=89fmol/mg protein)を有する蛋白性物質、つまりP受容体の存在を確認した。 つぎに、酵素組織化学的に顎下腺の組織切片にprogesterone-peroxidaseconjugate(PPC)を作用させたのちDiamino benzidineで発色させた結果、PPCは排出管系(主に分泌部と小葉間導管、一部介在部)の上皮細胞に強く局在し、腺終末部には局在しなかった。 以上のことから、ラット顎下腺では、排出管系の上皮にP受容体が存在する、つまりこの細胞がP標的細胞であることが判った。そしてこのことは、Pが排出管の上皮を介してEGFやNGFの産生・分泌に関与していることを推論させる。(別紙添付)
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Research Products
(2 results)