1986 Fiscal Year Annual Research Report
マンソン裂頭条虫擬充尾虫由来の成長促進因子についての研究
Project/Area Number |
60570174
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
平井 和光 愛媛大, 医学部, 助教授 (20093940)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪井 敬文 愛媛大学, 医学部, 助手 (00188616)
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Keywords | マンソン裂頭条虫 / 擬充尾虫 / 成長促進因子 / 成長ホルモン / ラジオリセプター・アッセイ |
Research Abstract |
マンソン裂頭条虫擬充尾虫はその感染マウスのソマトメジン活性を増加さすことによって宿主の成長を促進させるが、この虫体の抽出液中に成長ホルモン(GH)様活性物質が検出された。そこで本虫がGH様物質を分泌するものと考え、培養液より成長促進因子の分離・精製を試みた。 材料及び方法:ヘビから採取した擬充尾虫を1匹/1mlの割合でMEM培地にて培養した。24時間毎に培養液を交換して、虫体の分泌物質を含む培養液を集め遠沈後、ホローファィバー濃縮器で濃縮し、凍結真空乾燥した。この試料から成長ホルモン様物質の分離を行った。成長ホルモン活性の測定:家兎の肝臓から調製したGH受容体を用いてラジオリセプター・アッセイにて行なった。 結果:凍結真空乾燥した試料を10m M Ammonium Bicarbonate Buffer with2mMMercaptoethanol(PH8.4)に溶解、GH様活性が検出された。培養液中のGH活性は2,189±516nIU/mg proteinであった。そこでこの試料を陰イオン交換クロマトグラフィにて分画するとイオン強度0.01の画分に溶出され、GH活性は4,419±1,491nIU/mg proteinであった。ついでこの画分をゲル濾過したところ著しく低分子量域に溶出するピークに活性を認めた。しかし、低分子量域の物質は、ホロファイバーによる濃縮過程(分子量3500以上を採取)で取除かれているはずのものであり、クロマトグラフィの際に変性によって生じたものかまた担体への吸着によるものか現段階では明らかにできていない。今後、生物学的活性の検討が必要である。
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