1986 Fiscal Year Annual Research Report
モノクロナール抗体を用いたトリパノソーマ抗原変異機構の解析
Project/Area Number |
60570176
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
福間 利英 長崎大, 熱帯医学研究所, 助教授 (90125146)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中澤 秀介 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助手 (20180268)
神原 廣二 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (20029789)
|
Keywords | トリパノソーマ / Trypanasoma brucei gambiense / 表面抗原変異 / 血液型原虫培養モノクロナール抗体 |
Research Abstract |
Trypanosoma brucei gambiense(Tg)Wellcome株感染家兎で波状の虫血症がみられる。この波は互に異なる特異抗原型をもつTg血流型の消長であり、それより少し遅れた位相で各抗原型に対する抗体が上昇してくる。この株は、正常ヒト血清(Hs)に対して感受性があり、感染マウスにHSを投与すると、一時的に原虫は血中から消失し、やがて再発する。再発原虫は異なった抗原型を示し、血中には消失した原虫の抗原型に対する抗体が生じている。接種後2-3日毎に、経時的に採取された家兎血清と、マウスで得られる変異型Tgおよび、それらに対する特異抗血清の組み合わせで、変異型Tgの出現にはその頻度に順位のあることがわかった。最も優位な抗原型に対するモノクロナール抗体を得、これと補体により、この型の原虫(クローン化してある)を融解せしめたのちマウスに接種すると、すでに【10^(-4)】-【10^(-5)】の率で他の変異型が混じていることがわかった。これを純粋に培養系において確めるためにTgの血流型を培養する必要がある。マウス新生仔の脳あるいは筋由来細胞を待養細胞(feeder cell)としてTgを培養すると、持続的に培養可能であることが判明した。培養原虫は血流型に酷似し、マウスに対する感染能も有していた。侍養細胞からトリパノソーマに対する増殖因子が出ているかどうか検討してみたが、否定的に結果であった。しかしTgは侍養細胞の直上あるいは細胞間隙で、細胞に接して増殖するので少くともそのような密な接触が必要である。一方マウス脾細胞にもTgを培養するのに侍養細胞として有効であることが確認された。しかし脳や筋の細胞の場合と比較して、Tgの増殖はやや落ちるが脾細を侍養細胞とした場合3ケ月以上培養するとTgの抗原型が変化することが判明した。現在このことについて検討中である。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Ma Editha HERMOSURA: Tropical Medicine. 27(4). 211-219 (1985)
-
[Publications] Peter J.MHANDO: Tropical Medicine. 28(1). 45-53 (1986)
-
[Publications] Peter J.MHANDO: Tropical Medicine. 29(1). (1987)
-
[Publications] Peter J.MHANDO: Tropical Medicine. 29(1). (1987)