1987 Fiscal Year Annual Research Report
マウスMHC領域内高頻度遺伝子組み換え機構の分子遺伝学的解析
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60570232
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
城石 俊彦 国立遺伝学研究所, 細胞遺伝研究系, 助手 (90171058)
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Keywords | マウスMHC / 遺伝子組み換えのホットスポット |
Research Abstract |
日本産野性マウス由来のH-2遺伝領域を持つBIO.MOL-SGRコンジェニック系統は近交系マウスと交配した場合, マウス主要組織適合複合体であるH-2内のK-AB遺伝子間において従来得られているものより約100倍高い頻度で遺伝的組み換えを示す. 今年度は, 組み換えがK-A_B遺伝子間のどこで生じているかを明らかにするため前年度に引き続きBIO.MOL-SGR系統から独立に得られてきた15系統の組み換え体を用いて, 組み換えの切断点をDNAレベルで詳細にマップすることを試みた. このためにK-A_B遺伝子間を完全にカバーするコスミッドクローンからこの領域の様々な部位に対応する数多くのDNAプローブを作製した. これらのプローブを用いて, 組み換え体を得るために交配した親系統間でみられる制限酵素DNA断片の多型を基に各々のプローブが対応している部位がどちらの親由来であるかを確認した. この結果, 全ての組み換えが, 約20KbpのDNA断片内に限局していることが明らかとなった. さらに, この部位に対応する三種類の異なるDNAプローブを調整して分析したところ9つの組み換え系統では, 切断点が僅か1Kbpの極めて狭い領域に集中していることがわかった. 従って, この遺伝領域には遺伝的組み換えのHot-spotが存在することが明らかとなった. そこで, この遺伝領域をさらに詳細に分子レベルで解析する目的でHot-spot及びその近傍をコスミッドをベクターとしてクローニングすることを試みた. これまでのところ, 組み換え実験に用いた親系統であるBIO.MOL-SGR,BIO.A,BIOの三系統から各々, ゲノミックDNAライブラリーを作製し, 目的とするHot-spot及びそれに対応するDNA部位を含む40Kbp程の長さを持ったDNA断片をクローニングした. 現在, それらの塩基配列の決定と一次構造の比較を進めている.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Toshihiko Shiroishi: Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 84. 2819-2823 (1987)
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[Publications] Toshihiko Shiroishi: Immunogenetics. 25. 258-262 (1987)
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[Publications] 森脇和郎・D.W.Bailey編 城石俊彦・嵯峨井知子・森脇和郎: "マウス免疫遺伝学 第一章 H-2 クラスエ抗原の遺伝的特異性の分析法と生物機能" ソフトサイエンス社, 22 (1988)