1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60570477
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
内山 暁 山梨医大, 医学部, 教授 (00009440)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 力 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (90010420)
林 三進 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (50010252)
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Keywords | 日本住血吸虫症 / 肝細胞癌 / 超音波検診 / X線CT / AFP / HBs抗原 |
Research Abstract |
昨年度にひきつづき、昭和61年10月に施行された、山梨県中巨摩郡玉穂町の成人病検診に参加し、日本住血吸虫症(日住症)患者の超音波検査およびα-フェトプロテイン(AFP)とHBs抗原の血清検査を行った。昨年度は肝の精密検査を必要とする住民の中から日住症罹患歴のあるものを検査の対象としたが、その結果では肝細胞癌(肝癌)患者は発見できなかったため、今年度は各地区を巡回する第一次検診に携帯形の超音波検査装置を持ちこんで、受診者対象をひろげた。超音波検査を受診したものは172名である。一方血清中のAFPとHBsは今回成人病検診を受診し採血を行った550名全員を対象とした。超音波検査施行の結果は肝の線維化軽度が41,中等度24,高度18名であり、中等度、高度線維化のみられた42名のうち昨年精密検査を行った住民をのぞいて34名をX線CTによる精密検査にまわした。一方血清検査の結果AFP陽性5名,HBs陽性10名,両検査陽性1名が判明し、計16名もX線CT検査をうけるよう指示した。X線CTの結果は日住症による間質の石灰化が軽度,中等度,高度のみられたものはそれぞれ11,13,10名であった。このうち3名はAFPが強陽性を示し、1名に肝癌,1名に胃癌とその肝転移が発見された。肝癌患者には経動脈性塞栓術による治療を施行、胃癌患者は吐血をおこしたため胃癌切徐術を施行した。他の1名は超音波で肝癌の存在が疑われているが、X線CTは未受診である。X線CTにてこの他に肝癌の疑いがあり血管造影を必要とするもの2名,肺癌の疑いがあり精検を要するもの1名を発見している。これらのデータは、コンピュータに記録し、今後も毎年施行する予定の肝検診に役立てる予定である。今年度は対象を広げた結果、CT検査の対象とした50名のうち肝癌1名,その疑い3名,胃癌1名,肺癌の疑い1名を発見した。
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