プラズマ重合による人工歯根膜コラーゲンの不溶化特性

1986 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 60570903
• Research Institution: Osaka University
• Principal Investigator: 岡崎 正之 阪大, 歯学部, 講師 (30107073)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 前田 芳信 大阪大学, 歯学部, 講師 (10144510) ; 荘村 泰治 大阪大学, 歯学部, 助手 (10154692) ; 寺岡 文雄 大阪大学, 歯学部, 助手 (00099805) ; 高橋 純造 大阪大学, 歯学部, 助教授 (80029149) ; 木村 博 大阪大学, 歯学部, 教授 (70036218)
• Keywords: 人工歯根膜 / プラズマ重合 / コラーゲン / 不溶化 / アパタイトコンポジット

Research Abstract

天然歯を失なった患者にとって、いかにしてこれに代わる人工歯根を得るかが今後の重要な課題である。生理学的機能から考えて、人工歯根を無理なく埋入するためには、人工歯根膜が欠かせない。本研究では、そのような機能を不溶化コラーゲンで代用することを目的にして基礎実験を行なった。前年度で一応、不溶化装置は完成したので、本年度は、コラーゲンの不溶化メカニズムと生体親和性に主眼をおいた。
[結果及び考察]
コラーゲン塗布層に紫外線照射すると、クロスリンキングに伴なう不溶化が進行することがX線回折,IR,熱分析等により確認できた。SCEコラーゲンの純度を液体クロマトグラフィーにより検討した結果,TypeIコラーゲンに近いものであることが判明した。
そこで、ミニスターラ(備品)を用い、アパタイトを合成し、この粉末試料を用いてコンポジットレジンを作成した。このアパタイトコンポジットの表面をプラズマ処理(備品)し、無菌箱(備品)中で、紫外線照射することにより、SCEコラーゲンを不溶化コーティングした。生体親和性を確かめるため、コラーゲンをコーティングしたコンポジットをラット皮下に埋入した。その結果、きわだった拒否反応や炎症反応は認められなかったものの、異物反応としての認識があるようだったので、今後はよりpureなコラーゲンを使用する必要のある事が示唆された。
従って、来年度は、より純粋なコラーゲン試料を用いて人工歯根膜の生体親和性を検討して行く予定である。