1986 Fiscal Year Annual Research Report
ーオ触に及ぼす親子関係の心理学的研究-質問紙の作製-
Project/Area Number |
60570954
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
中村 千賀子 医科歯科大, 歯学部, 助手 (90014175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 陽子 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (20126220)
志村 則夫 東京医科歯科大学, 歯学部, 助教授 (30014202)
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Keywords | 齲蝕 / 乳幼児 / 育児行動 / 人間関係 / 不安度 / 質問紙 |
Research Abstract |
多因子性慢性疾患である齲蝕は、生活行動が評価されないと、真の予防は困難であろう。そこで、行動を外的行動と内的行動(意識)にわけて考え、母親の保健行動に対する意識と子の齲蝕状態との関連を見出し、保健指導をより効果的にできる様な質問紙を作製することを目ざし、調査質問紙を試作し、保健所で実施した所、次の様な事実が明らかになった。1.都内某保健所に来所した母子のその殆んどが核家族であった。2.子の年令が3才以下であり、齲蝕の罹患率は低かった。3.乳児期に母乳を与えたと答えた母親に良かった点を挙げてもらった所、子供とのスキンシップが得られたこと、更に、人間には人間の乳がもっとも適しているとの感情面と理屈の面での解答が最も多かった。4.母乳を与えていやだと思った点については、人前での授乳のしにくさを一番に挙げる者が多かった。5.断乳の時期は、殆んどが1才までで6.断乳のきっかけは、離乳食をよく食べるようになったからと答えるものが最多であった。7.断乳で特に困った経験もなく、8.歯ブラシをかける時、いやがって泣いたりした時、半数の母親は泣いても最後まできちんとブラシをかけると答え、残りの半数は、一旦ブラシをやめて、他の方法をとると答えた。9.歯についての情報量は、多いとも少ないとも思わず、歯科情報が、子の虫歯について限定されている様子がうかがわれた。10.母親の行動を左右する不安度を調べた所、8の泣いてもブラシをかけ通す群に、不安度の高い傾向がみられた。11.家族関係では自分が困難にあったりした時、家族が一緒に考えてくれると確信を持つ母親は約半数で、家族とのつながりにやや不安を持つのではないかと思われた。保健指導は、個人的状況をきちんと把握して後、効果的方法の選択が可能になることを考えると、上記の様な質問調査を更に検討して、母親により役立つ質問紙とするべく、引き続き、調査質問の吟味を継続中である。
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