1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60571048
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
守時 英喜 徳島大, 薬学部, 助教授 (10035545)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀尾 修平 徳島大学, 薬学部, 助手 (80145010)
福沢 健治 徳島大学, 薬学部, 助教授 (90035551)
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Keywords | 加齢 / 血管拡張反応減弱 / 血管内膜 / 血小板凝集阻止能 / 血管拡張剤 / サイクリックGMP / フリーラジカル / アデノシン / ヒスタミン |
Research Abstract |
老化にともなう血管障害を血管内膜の機能低下という観点から検討を続けており、前年度は血管拡張反応が如齢とともに減弱していき、丁度、血管内皮を損傷させたと同じ現象がおきていることを明らかにした。今年度は次の点を中心に展開をこころみた結果以下のような結果を得た。 1.ラット大動脈にヒスタミンやニトロ系血管拡張剤を適用すると拡張がおきるが、この拡張に先立ち組織のサイクリックGMP(cGMP)レベルの上昇がおこることが判明した。一方、CAMPの上昇はおこらなかった。 2.ところが週齢が増加するに従って拡張反応の減弱と平行してcGMPの産生量もいちじるしく減弱していくことも明らかになった。 3.血管内膜を損傷させて拡張反応が消失した血管では、このcGMPの産生増大は認められなかった。従って加齢による血管拡張反応の減弱は血管内膜機能の低下によって拡張因子の産生低下、それに続くcGMP産生低下が原因しているとの結論を得た。以上の結果は本年9月、メルボルンで開催される第6回国際血管シンポジウムで発表する予定である。 4.一方、血管内皮単離細胞を用いるに先立ち、血管を灌流して内膜から放出されると考えられる血小板凝集作用と血管拡張作用を合せもつ物質(プロスタグランジン【I_2】やEDRF)と加齢の関係を検討しているが、血管灌流の条件もほぼ定まったので、次年度中にはこの点も解明できるものと思う。 5.血小板凝集機能が加齢によって変化するかどうかラット血小板を用いて検討しているが、現在までのところ予期したほどの差は認められていない。 6.血管内皮の単離細胞を用いる実験についても目下進行中である。
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[Publications] Moritoki,H.et al: European Journal of Pharmacology. 126. 61-67 (1986)
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[Publications] Moritoki,H.et al: European Journal of Pharmacology. 132. 39-46 (1986)
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[Publications] 守時英喜: 日本平滑筋学会誌. 22. 281-282 (1986)