1986 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト膵および唾液αAmylaseのモノクローナル抗体の一次構造とその利用
Project/Area Number |
60580138
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
南浦 能至 阪市大, 理学部, 助教授 (20047129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯塚 勝 大阪市立大学, 理学部, 講師 (00047292)
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Keywords | ヒト唾液α-アミラーゼ / ヒト膵α-アミラーゼ / モノクローナル抗体 / 分別定量 |
Research Abstract |
ヒト血中あるいは尿中に混在する膵および唾液腺起源のα-アミラーゼアイソザイムの分別定量のため、膵のα-アミラーゼのみと特異的に免疫反応するモノクローナル抗体産生ハイブリドーマの作製を試みた。 ヒト膵液からSDS電気詠動的に単一成分になるまで精製したα-アミラーゼで免疫感作したマウス脾細胞とマウスミエローマとの細胞融合によって、膵α-アミラーゼと特異的に反応する抗体産生ハイブリドーマを検索したが、すでに報告した唾液α-アミラーゼ特異的抗体産生ハイブリドーマの場合よりも、膵α-アミラーゼ特異的抗体産生株の出現率は極めて低かった。しかし10数回の細胞融合の結果、ポリスチレンやニトロセルロース膜を用いるELISA法による試験で、一定の濃度範囲で膵α-アミラーゼのみと特異的に反応する抗体産生ハイブリドーマ2株を得た。これら2株の生産する抗体はいずれもIgMで、また殿粉を基質とするα-アミラーゼ活性を阻害しなかった。次いでこれら抗体を種々條件下で活性化セファロースやDEAEセルロースに固定化したが、抗体は完全に固定化されているにもかかわらず、免疫活性能を失った。この原因は用いた抗体がいずれもIgMで不安定なため固定化操作中に変性したものと考えられた。そこで細胞融合をさらに反復したところ、極く最近、膵α-アミラーゼ特異的抗体IgGを分泌するハイブリドーマを分離することができた。この抗体はα-アミラーゼ活性を阻害しなが、前述の抗体IgMに比し、酵素イムノアッセイ系で固定化抗体としても、また標識抗体としても十分使用できる安定なもので、パルオキシダーゼ結合抗体を調製し、サンドウィチ法で膵α-アミラーゼの定量曲線を描いたところ、少なくとも10fmol/150μlまで測定可能であることが判った。現在この抗体の詳細な性質の検討中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 南浦能至: 醗酵工学会誌. 64. 530-539 (1986)
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[Publications] 南浦能至,伊藤和央,米田幸生: 澱粉科学. 34. (1987)
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[Publications] K.Miyauchi;M.Ogawa;T.Shibata;K.Masuda;T.Mori;K.Ito;N.Minamiura;T.Yamamoto: Clinica Chimica Acta. 154. 115-123 (1986)
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[Publications] N.Minamiura;K.Ito;P.Ruenwongsa;P.Chaimanee;T.Yamamoto: Proceedings of JSPS-NRCT,NUS,NSTA Joint Seminar in Biotechnology. 5. (1986)
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[Publications] T.M.Espino;V.Exlonde;K.Ito;M.Iizuka;N.Minamiura: Annual Report of IC.Biotech. 9. (1986)
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[Publications] N.Minamiura 他: J.Biochemistry.