1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60580179
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
荻野 晃也 京大, 工学部, 助手 (40026034)
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Keywords | トリトン / エネルギー損失 / 核融合 / 材料 / 加速器 / 核反応 |
Research Abstract |
高速トリチウム粒子(トリトン)の物質との相互作用の基礎データの1つが、エネルギー損失である。今までの理論的研究によれば、同じ速度であれば、p(陽子)、d(重陽子)、t(トリトン:三重陽子)間でのエネルギー損失に差がないとされているが、いまだそれに関する(特にpとtとの間の)詳細な実験が行われていないといって良い。この研究はその点を明らかにする為に、昭和60年度、61年度にわたり行われたものである。 昭和60年度には、tの加速とその応用の為の改良が行われ、多くのデータが得られた。 昭和61年度は、その測定が更に進められ、最終結果としての多くの問題点を明らかにする為に行われた。それ等を上げると次の様になる。 (1);tのスペクトルを解析する為のベスト・フィット・プログラムの改良。 (2);金属フォイルの厚さに関する誤差を明らかにすること。 (3);金属フォイルの一様性を明らかにする。不純物の推定をも行う。 (4);tのエネルギーを精密に求める。 (5);【^9Be】(d,t)及び(d,p)反応によるp,tの比較。 (6);金属フォイル等のセッティングによる誤差の推定。 などである。これ等の点を明らかにすることによって、pとtとのエネルギー損失の差は、この研究の誤差の範囲内では、無視出来ると考えられることが明らかとなった。
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