1985 Fiscal Year Annual Research Report
心理学ラボラトリ・ネットワークによるソフトウエアの統合法について
Project/Area Number |
60810003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 豐 東京大学, 文, 助手 (40134423)
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Keywords | ラボラトリ・ネットワーク / 電子メイル / パーソナル・コンピュータ |
Research Abstract |
全国の心理学研究室を対象としてラボラトリ・コンピュータの実態調査を質問紙法で行なった。有効回答数は130名で、半数が30才代であった。40才以上は2割に満たない。助教授、助手が回答者となったために、大学院生や研究生等の比率は低目に出ていると思われる。専門分野は、感覚・知覚が31.5%、記憶・学習・思考が24.6%で過半数を占める。研究者の絶対数が多いにもかかわらず、発達・教育・人格・臨床の回答者は極めて少なく、合計しても5%であった。パソコンを利用しているという回答は122名。利用年数は5年が最も多く30.2%であった。用途は「実験の実行や制御」が76.9%、「集計、グラフ作成、統計計算」も同じく76.9%で最も多い。しかし「和文処理」、「英文処理」がそれぞれ74.6%、71.5%あり、この方面での利用は今後ますます多くなると思われる。調査回答者は平均してパソコンを2.2台持っている。最も多いのはPC9801シリーズで、108%になる。PC88とPC80のシリーズの合計は30%、FMシリーズは全機種合わせて、16.3%、MZシリーズも全機種合わせて15%、Appleは11.4%であった。 またパソコンのプログラミングについて、3/4の人々は問題を感じている。「時間がかかる」、「機種間の互換性が少ない」、「研究者間の情報交換が乏しい」などである。研究者間のラボラトリ・コンピュータ・ネットワークの早急な完備が強く望まれているわけだが、本試験研究の一環として刊行したPLANETの第6号の中心的関心事はまさに電子メイルや電子告知板等によるコンピュータ・ネットワークであった。最近ようやくパソコンでの和文処理が実用化の域に達したので我が国でのラボラトリのコンピュータ通信の機は十分に熟したといってよいだろう。
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