1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60810004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
芝 祐順 東京大学, 教, 教授 (80012566)
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Keywords | 適応型テスト / 潜在特性モデル / 項目プール / テスト情報量 / コンピュータ |
Research Abstract |
本研究の目的は、学力測定の精密化・効率化を実現するために、コンピュータ制御による適応型テストを試作することにある。このテストでは、順次提示するテスト項目の選択を直前のテスト項目に対する生徒個人の応答に基づいて制御することによって測定の最適化を行なう。これを実際に実施することによって、基礎データを得てその実用化のための条件を明らかにしたい。 2年間の継続研究であるが、現在までの進行状況は以下の通りである。 1.項目プールの作成:既に整備されている語彙理解尺度の項目プール中から適当な項目を選び出し、これを適応型テストの項目プールとした。 2テスト方法の決定:テスト項目の選択基準・テストの打切り基準などソフト面及び具体的に利用するコンピュータ及び周辺機器などハード面の検討を行なった。 3.プログラム開発:適応型テストを具体的に実施するためのプログラムを作成した。 4予備実験:これは東京大学教育学部附属中・高等学校の協力を得て実施した。ここでは、テスト終了までの所要項目数及び時間・個人毎のテストの進行状況及び測定精度などについて検討した。また、テスト項目の適不適についても生徒の反応や教師の意見をもとに検討した。 5改良:予備実験の結果を基にプログラムその他を改良。 6.本実験の計画:本実験では次のことを調査することにした。(【i】)従来の固定型テストとの比較(【ii】)テスト情報量の安定性(【iii】)テスト開始時の項目の困難度の影響(【iv】)1項目実施毎に正誤をフィードバックすることの効果(【v】)1項目毎の応答時間(【vi】)中学校から高等学校にかけての6年間の発達的変化。 7.本実験:本実験のために必要な機器等を協力校(聖霊短大附属中・高等学校)へ搬入、担当教師との検討を行なった。 本年度は本実験を引き続き実施し、得られたデータを基に6-(【i】)〜(【vi】)などの点を検討し、最終的な適応型テストプログラムを完成する。
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