1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60840001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石黒 正人 東京大学, 東天文, 助教授 (40023684)
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Keywords | 電波ホログラフィ / アンテナ / 電波望遠鏡 |
Research Abstract |
通信衛星CS-2a、2bからの19.45GHzビーコン電波を利用した高精度電波ホログラフィー装置が完成した。本装置は直径43cmのパラボラを参照アンテナとした2チャンネルデジタルFFT型相関受信機である。ビーコン電波は帯域巾が非常に狭く、また強いので参照アンテナで43dB、45m鏡で83dBという十分な信号対雑音比が得られた。受信機システムの設計に際しては、特に位相安定度とチャネル間アイソレーションに注意を払った。その結果、0.2度/°C、80dBという極めて高い位相安定度とアイソレーションを達成した。受信機雑音と位相変動による測定誤差はそれぞれ、10μmRMS、30μmRMS程度と推定される。 軌道予測データに基づき衛星を追尾し、衛星を中心として1°×1°の角度領域をスキャンして得られた64×64の2次元電界放射パターンをフーリエ変換して開口面の振巾及び位相分布を得た。1回の測定には約1.5時間を要した。気象等の条件が良い時(夜間、風速5m/s以下)には、60μmRMSの再現性が得られた。各スキャンは必ず中心点を通るようにスキャンされたので、この中心点データを使って、指向誤差やゲイン変動のキャリブレーションを行った。中心点での複素ゲインの補正により僅かながら再現性の向上が見られた。 1985年10月中旬より本格的な測定に入り、下旬には最も信頼性の高いデータを基にして鏡面修正を行った。測定と修正を3回繰り返し、修正前には194μmRMSであった鏡面誤差が137μmRMSまで下った。実際の鏡面がどの程度に仕上っているか、現在電波源を使って詳しい観測を行っている。来年度は、今回不充分であった指向誤差補正法などを改良し、鏡面精度の大巾向上をはかる予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 日本天文学会講演予稿集. B-75. (1985)
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[Publications] 日本天文学会講演予稿集. A-6. (1985)
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[Publications] IEEEアンテナ伝搬国際シンポジウム集録(米国). 53-A. (1986)