1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60840001
|
Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
石黒 正人 東京大学, 東京天文台, 助教授 (40023684)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
別段 信一 三菱電機, 通信機製作所・衛星通信部, 参事 (10298317)
森田 耕一郎 東京大学, 東京天文台, 助手 (20167688)
|
Keywords | 電波ホログラフィ / ミリ波アンテナ / 電波望遠鏡 |
Research Abstract |
電波天文学では、野辺山宇宙電波観測所の45m鏡やIRAMの30m鏡など、ミリ波からサブミリ波にかけての波長域で高精度の大口径アンテナが使われるようになった。これら大型アンテナが十分な鏡面精度を持つためには、高精度の鏡面測定技術が必要であり、最近では電波ホログラフィ法が盛んに用いられている。しかし、この方法のミリ波からサブミリ波での大口径アンテナへの適用は、従来の測定に比べて格段に高い精度を要求されるので、そのための研究開発が必要となった。 本試験研究では、最も条件の良い静止衛星電波を利用した高精度の電波ホログラフィ鏡面測定装置を開発した。本装置は、2チャンネル相関型受信機、観測制御システムおよびデータ処理ソフトウェアよりなっている。今回の実験では、通信衛星CSー2a、2bから発射されている19、45GHzのビーコン電波を使用し、極めて位相精度、感度、アイソレーションの高い装置を開発することに成功した。 この装置を使用して1985年10月、1986年8月に64×64点(分解能86cm)、128×128点(分解能43cm)あわせて53回にのぼる測定を行なった。測定データの中で最も再現性の良い(〜60μm rms)測定結果にもとずき、45m鏡の鏡面修正を行なった結果、当初200μm rms付近であった主鏡の鏡面精度を150μm rms程度まで改善することができた。また、測定誤差要因の分析、散乱波の影響を軽減するための実験、指向誤差の影響を調べるための計算機シミュレーション等を行ない、今後の精度向上のための貴重な資料が得られた。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Masato ISHIGURO: Symposium Digest of IEEE AP-S International Symposium. Vol.2. 531-534 (1986)
-
[Publications] 石黒正人: 電子情報通信学会創立70周年記念総合全国大会講演論文集. 分冊3. 3・297-3・298 (1987)
-
[Publications] 石黒正人: 電子情報通信学会技術報告. Vol.87No.91. 67-74 (1987)
-
[Publications] 石黒正人: 電子情報通信学会技術報告. Vol.87No.91. 75-80 (1987)