1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60840002
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
関 整爾 筑波大学, 物, 助教授 (60015542)
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Keywords | 静電加速器 / 真空放電 |
Research Abstract |
1)使用した加速管における損傷状態の観察と試験装置の製作 10年間運転したタンデム加速器(ペレトロン12UD)の全加速管を解体し、放電によって生じた内部の損傷状態を観察した。特に損傷の顕著な部分については、電極表面を光学顕微鏡と電子顕微鏡により観察した。強い損傷のある場所は、これまで運転中に外部で観察した現象(真空、コロナ電流、X線発生における異常)から予想された場所と大体対応している。運転記録と照合し、加速管内部の局所的な放電の原因究明を進めている。 これまでの観察からわかったことは、大規模な放電の発達の原因となる局部的な現象の中で、ミクロ粒子の役割が重要と考えられることである。また、このミクロ粒子は、従来考えられているように、電極表面に残留した粒子ではなく、電極間の部分的な放電で溶融した金属(チタン)が電界の影響を受けて飛散して生じたものと考えられる。このような現象は、加速管の部分的試験によっても調べることが可能であろう。そのための加速管のテストピースと試験装置の製作をほぼ完了した。 2)加速管のエージング 分解した加速管は、内面を必要に応じてサンドブラストし、ユニットに分けて水素放電クリーニングを実施して組立て直した。その後、ユニット毎に分割してエージング運転を行い、全体の保持電圧を回復させた。回復は非常に順調に進み、100時間以内で完全に以前の使用電圧に達した。より高い電圧までコンディショニングを進めることを計画している。加速器の電圧保持性能は、加速管内の多くの放電原因が複合して決まるが、個々の事象と全体としての放電の発達過程の関連を解明する手がかりが得られたと考えている。今後は試験装置により、個々の事象を詳細に調べ、加速管の改良を進める。
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Research Products
(1 results)