1985 Fiscal Year Annual Research Report
LB法による,機能性流体,機能性コロイド作製装置の試作
Project/Area Number |
60840004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堂山 昌男 東京大学, 工, 教授 (40010748)
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Keywords | LB膜 / 有機薄膜 / 機能性コロイド / 付着力 / 引っかき法 |
Research Abstract |
LB膜・有機薄膜製造装置を購入、改良し、LB法による機能性流体、機能性コロイドの作製システムの組み立てを行っている。 また、作製した物質の電気的性質を系統的に調べるために,液体窒素温度から室温までの電気抵抗自動測定システムを設計・作製した。試料中を流れる電流、電圧、測定時の温度をGP-IBインターフェースを通じてマイコンに記憶する。 一方、LB法で機能性流体、コロイドを作った場合、保護膜、コーティング膜として働く、LB膜、有機薄膜と、それに包まれている機能性粒子との間の付着力、機械的強度が、非常に問題になる。 そこで、機能性流体、コロイドにおける保護膜と、機能性粒子との間の付着力を調べるための予備実験として、一般のLB膜の固体基板との相互作用としての付着力を引っかき法を用いて測定した。 引っかき法は、基板と強く結合している蒸着膜の付着力を測定するために考えられた測定法である。 これは、針に加える荷重を変化させながら薄膜を引っかき、膜が剥がれる時の荷重をその膜の付着力とするものである。 膜の有無は蒸着膜の場合は、光の透過でわかるか、LB膜は透明であるため、膜の表面組成をオージェ法によって測定して評価を行った。 今回は、固体基板として、シリコンを用いた。0.005gから、37.5gの範囲で変化させ、自作の引っかき装置で引っかいた。 単分子膜を一層累積した部分は、荷重 37.5gで引っかいても、オージェ分析による表面組成は変化しなかったが、3層以上累積した部分は、0.005gの荷重でも、引っかきによる膜のはく離が認められた。 したがって、LB膜は、単分子膜の場合、強固に、基板と結合しているが、2層以上になると、急激に、基板との結合力が弱くなることがわかった。
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