1986 Fiscal Year Annual Research Report
LB法による,機能性流体,機能性コロイド作製装置の試作
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60840004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堂山 昌男 東大, 工学部, 教授 (40010748)
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Keywords | シャドウイング / 光電子分光 / 付着力 |
Research Abstract |
今年度は、作製したコロイド膜の評価方法を調査した。 (1)超微粒子を含有したコロイド膜の構造を評価する方法として、電顕観察を選び、その予備実験として、ステアリン酸カドミウム塩L.B.膜の表面に、低温においてシャドウイングを施し、透過電顕観察を行なった。この結果、基板に対して約3度の方向からシャドウイングすると、単分子膜一枚分の厚さ(25&)の違いが区別でき、有機分子膜が、超微粒子をどの様に被覆しているか評価できることがわかった。 (2)コロイド膜の電子物性の評価法としてUPS(紫外線光電子分光法)によって、Lu-ジフタロシアニンL.B.膜のバンド構造を求めた。その結果、中心金属からのピーク,フタロシアニン環によるピーク,及び、フタロシアニン環中の窒素と中心金属(ルテシウム)の軌道が混成してできる価電子帯が見いだされ、技術的には、有機膜でも真空度を悪くせずに、光電子スペクトルが測定できることがわかった。 (3)有機-無機物質の界面の付着力を測定するため、微小荷重スクラッチ装置を作製し、ステアリン酸カドミウム塩L.B.膜の付着力を測定した。その結果、基板-L.B.膜第一層目間の付着力は非常に強く、装置の測定限界を越えていたが、L.B.膜第一層-第二層間の付着力は、基板依存性(金属(Al)は数十mg、半導体(ITO)では数mg)が見られ、良好な有機無機ハイブリッドシステムを作る上での、基板を選択する一方法として付着力測定が使用できることがわかった。
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Research Products
(1 results)