1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60840019
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
堀 浩 北海道大学, 理, 教授 (40000814)
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Keywords | 核酸検出法 / アビジン・ビオチン法 / 遺伝子 |
Research Abstract |
アビジン・ビオチン系を用いた下記四通りの方法についてその有用性を検討した。 A.アビジン、ビオチン化パーオキシダーゼの混液をニックトランスレーションによりビオチン化したDNAプローブの検出に用いる方法。 B.ストレプトアビジンとビオチン化酸性フォスファターゼの複合体をニックによりビオチン化したDNAプローブの検出に用いる方法。 C.Bと同様の複合体を光化学反応によりビオチン化したDNAプローブの検出に用いる方法。 D.ニックによりビオチン化したDNAプローブをストレプトアビジンとビオチン化した重合アルカリ性フォスファターゼと順次反応させて検出する方法。 標的核酸としてはゲノムDNAのサザンブロット、RNAのノーザンブロット、組換えファージのプラークハイブリ、ショウジョウバエ唾腺染色体を用いた。得られた結果を要約すると次の如くになる。 A法は核酸の検出感度が他の三法に比して著しく低い。しかし唾腺染色体上での標的核酸の検出は可能である。費用は最も安い。B法とD法は検出感度が5pgと高く、ゲノム中に唯一コしか存在しない遺伝子の検出も可能である(サザン、ノーザンに限る)。ただしB法の場合、酵素染色の際に発色剤として赤色素Fast violetを用いるより青色素Fast blueを用いる方がはるかに感度がよくなる。C法は光化学反応を用いているのでプローブDNAのビオチン化が極めて容易で安価であるが、ビオチン化係数が低いためやや感度が劣る。しかしプラークハイブリや唾腺染色体上での検出、また標準鎖長の核酸の標識には適している。 要約すると、今後酵素活性の検出法の点に改良を加えればfgオーダーの核酸の検出が可能になる見込みが立った。
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[Publications] 日本遺伝学会第57回大会. (1985)
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[Publications] 第26回日本組織細胞化学会. (1985)
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[Publications] 第8回日本分子生物学会年会. (1985)