1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60840022
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Research Institution | Tokai University Junior College |
Principal Investigator |
伊津 信之介 東海大短, 大学併設短期大学部, 講師 (50142617)
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Keywords | 海底写真 / 深海カメラ / カラー写真 / ステレオ写真 |
Research Abstract |
昭和61年度の研究計画でもっとも重要な事項は、耐圧容器の設計と製作であった。耐圧容器の耐圧強度は、設計段階で予測できない要素が製作段階に生じ、低下することがある。特に使用する材質によっては、そのことが著しくなる。今回使用する予定であった、タフラム加工アルミ合金製の中空パイプの場合、その表面加工技術が特殊であり、その経験のある加工場以外では適切な作業ができない。そこで、対腐食性は落ちるが加工しやすいアルミ合金パイプをそのまま使用することにした。まず、試作第1号として、最も単純なタイプを作成し、撮影テストを繰り返した。この撮影テストでは、比較のためにマリンオプティカルシステム社の海底写真撮影装置とVTR撮影装置を併用した。この試作第1号装置は、耐圧性能と種々の付属装置のテストの為にモノラルタイプとした。試作第1号装置を用いた調査結果について、昭和62年4月に行われる日本地質学会年会で発表する予定である。 当試験研究の最も重要な目的が、操作が容易で安価な海底写真撮影装置の試作にあることは繰り返し述べてきた。この装置に、水深データをも写し込むために、耐圧容器に穴あけ加工をほどこして圧力センセーを取り付けなければならない。このような加工によって耐圧強度は変化する。ところが、浅海において水深を水圧から読み取ることは、うねりや波浪などの関係で非常に困難である。従って、耐圧強度の変化というリスクを負いながら精度の高い水深データが得られない直接写し込み装置の作成計画は放棄した。よって水深と位置のデータは、フィルムに写し込まれた時間データを基準にして対応させることにした。本試作装置で計画している撮影条件は、数分に一コマの撮影間隔であるから、内臓デジタル時計の精度で充分であると考えられる。
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