1986 Fiscal Year Annual Research Report
極薄センダストリボンの生成とその高周波磁気デバイスへの応用
Project/Area Number |
60850002
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
荒井 賢一 東北大, 電気通信研究所, 助教授 (40006268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蛸島 武宏 アルプス電気, 中央研究所, 第一研究室長
徳島 忠夫 日本楽器, 技術研究所, 副所長
大森 賢次 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (30125512)
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Keywords | センダスト / センダストリボン / 磁気デバイス |
Research Abstract |
本研究は、融体急冷法により、高周波においても優れた軟磁気特性が発揮できるような極薄センダストリボンの作製を行い、その高周波デバイスへの応用の可能性を検討することを目的としたものである。昨年度は主として厚さ20μmの極薄センダストリボンの生成条件の確立を計り、本年度は極薄センダストリボンの高周波磁気特性の解明に的をしぼった研究を行った。本年度の研究において得られた主な知見は以下の通りである。 (1)交流履歴特性の測定から、最小の抗磁力は10kHzで0.120e、50kHzで0.30eであり、84.9Fe・9.5Si・5.6Al組成での角型比Br/【B_1】は、10kHzで0.86、50kHzで0.87であった。 (2)周波数が10kHzにおける透磁率は、84.9Fe・9.5Si・5.6Al組成で最大の23,000を示し、100kHzではSi9.5〜9.7wt%、Al5.6〜5.9wt%の組成範囲で10000を示した。 (3)200kHz以上の周波数では、組成による透磁率の差は極めて小さくなり、1MHzで1400〜1700、4MHzで400〜500の値を示した。また周波数fおよび厚さtを用いて、透磁率はμ〓1/【f^(0.9)】tで表わされることが明らかとなった。 (4)約400kHz以下の周波数では、熱処理温度によって透磁率は大副に変化するが、約400kHz以上では、その変化は極めて少ない。 (5)鉄損は、低抗磁力、高透磁率を示した84.9Fe・9.5Si・5.6Al組成で最小値を示し、その値は最大磁束密度を4kGとしたとき、周波数10kHzで0.71×【10^5】W/【m^3】、100kHzで18×【10^5】W/【m^3】であった。 (6)センダスト合金薄帯の鉄損はフェライトと比較して、1/3〜1/4であった。また周波数fおよび最大磁束密度Bmを用いて、W∞【Bm^(1.9)】【f^(1.4)】で表わされることが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] K.Ohmori;K.I.Arai;C.Yamazaki: IEEE Trans.J.Magn.Jap.TJMJ-1. 126-127 (1985)
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[Publications] K.I.Arai;K.Ohmori;C.Yamazaki: IEEE Trans.Magn.MAG-21. 1924-1926 (1985)
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[Publications] K.I.Arai;K.Ohmori;: 6th Inter.Sympoisum,High Purity Mater.in Sci.and Tech.Proceeding III. 1-16 (1985)
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[Publications] 荒井賢一,大森賢次,山崎長治: 電気学会論文誌A. 105. 249-254 (1985)