1986 Fiscal Year Annual Research Report
大半径旋回電子ビームを用いたサブミリ波帯サイクロトロン高調波ジャイロトロン
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60850003
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
立川 敏明 福井大, 工学部, 助教授 (00020206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 正之 住友電工, .KK.研究開発本部, 主任
出原 敏孝 福井大学, 工学部, 助教授 (80020197)
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Keywords | ジャイロトロン / 高出力波源 / ミリ波源 / サブミリ波源 / サイクロトロン基本波 / 高調波ジャイロトロン / ジャイロペニオトロン |
Research Abstract |
昨年度に引きつづき本年度は次のような成果を得た。 1.サイクロトロン高調波におけるジャイロトロン動作とジャイロペニオトロン動作の実験的検証・東芝製ジャイロトロン管E3953Aを用いて、サイクロトロン3次高調波までの動作を確認した。サイクロトロン基本波、2次高調波および3次高調波の最適動作条件を実験的に求め、理論との比較を行ない、両者のよい一致を得た。また、各高調波の発振出力を実験的に求め、高調波次数nに対して、スケーリング則P(n)α【10^(-(1.5〜2.0)n)】を得た。他方、3次高調波で最適化されたジャイロ・ペニオトロン管E3957を用いて、ペニオトロン動作による発振を確認した。ジャイロトロン動作では、数10mWの出力しか得られない3次高調波において、出力8kW効率7%の好結果を得た。発振出力及び効率のパラメータ依存性を詳細に調べ、シミュレーションの結果と比較検討した結果、両者の定量的一致(factor2以内)を得た。 2.サブミリ波帯ジャイロトロン用磁場系の整備と現有のジャイロトロンへの適用・最終的な目標であるサブミリ波帯ジャイロトロンに必要な強磁場系を整備し完成させた。即ち、超電導コイルを設計・製作して、8Tに至る強磁場を内径85mm室温空間に発生させた。この磁場強度は、サイクロトロン基本波で220GHz、2次高調波で440GHzとなり、サブミリ波帯(300GHz以上の周波数域)ジャイロトロンの作製に目途を得た。磁場強度の一様性もよく、長さ50mmにわたって、0.5%以下の変動率であり、ジャイロトロンの高効率化に最適である。コイルは二つの部分に分割されており、磁場の形状を任意に設定することが可能である。次年度には、この磁場系を用いてサブミリ波帯ジャイロトロン管を新たに作製して、最終目標に到達する予定である。現在、現有のジャイロトロン管を用いて、予備実験を行なっている。
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Research Products
(1 results)