1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60850004
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
八田 一郎 名大, 工学部, 教授 (70016070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 良三 真空理工株式会社, AE事業部, 室長
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Keywords | 薄膜材料 / 熱拡散率 / 熱測定 / acカロリメトリ / 材料評価 |
Research Abstract |
光照射型acカロリメトリを用いた薄膜材料の熱拡散率測定法の基本原理はわれわれはすでに確立した。これに基づいてその応用範囲についての検討を行った。われわれの開発した測定法では、薄膜材料を横に置き、断続光を試料面に当てる。そのとき、断続光の一部を遮ぎるように置いたマスクを左右に動かす。その移動距離の関数として、マスク下の試料部に付けた熱電対によって交流温度を測定する。この交流温度の減衰係数から熱拡散率が求まる。この場合、まず第一に試料に付けた熱電対の測定への寄与が問題となる。二つの典型的な場合について理論的に解析し、実験で確めた。第一の場合は試料に熱電対を付けるのに局部的に接着剤を用いる場合で、第二の場合は試料上で熱電対からの光の当っていない方へ全面に接着剤をぬる場合である。前者については理論解析より測定値に影響を与えないことが示され、これまでの実験においてもそのことが確められている。しかし、測定感度を上げる点からすると少量の接着剤を用いることが望ましいこともわかった。後者についても理論的解析より問題がないことが示され、実際に極端な例として、5μmのステンレス鋼板について接着剤としえ銀ペーストを100μmの厚さにぬった試料で測定し、ステンレス鋼の熱拡散率が高精度で決まることを示した。次に、測定に必要な試料の大きさについて検討した。この場合にも、まず理論解析を行い、実験で確めた。試料の厚さについては熱拡散長より十分薄いことが必要で、厚い方に制限がある。上限はいずれの試料をもってきたとしてもほぼ100μmであることがわかった。また、試料の幅については、広い方に制限がなく、細い方にはそれほどの制限がないことがわかった。試料の長さについては、マスク下にある部分はいくら短かくしても良いが、光が照射されている部分についてはマスクの端から測って熱拡散長の1.5倍の長さがあれば良いことがわかった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Ichiro Hatta: Japanese Journal of Applied Physics. 25. L493-L495 (1986)
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[Publications] Ichiro Hatta: Japanese Journal of Applied Physics. 26. 475-478 (1987)
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[Publications] 八田一郎: 熱測定. 13. 142-146 (1986)
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[Publications] 八田一郎: 固体物理. 21. 277-282 (1986)