1985 Fiscal Year Annual Research Report
共鳴フオークト効果による極微量元素の高精度測定装置
Project/Area Number |
60850010
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
山本 学 東京農工大学, 工, 教授 (60166824)
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Keywords | フォークト効果 / 磁気光学効果 / 高感度元素検出 / レーザー分光 |
Research Abstract |
本年度はホモダイン検出方式による高感度検出法の検討を目的として、装置の試作および性能評価の基礎的研究を行った。 1.装置の設計,試作 (1) 波長可変レーザー光源; 現有の【N_2】レーザー励定色素レーザーを改造して光源とした。波長狭帯域化には二重回折格子方式を採用して、スペクトル幅〜3GHz、出力1KWを得た。 (2) 試料原子化炉; 既存の原子炎光分析用バーナー(試料長8mm)を用い、永久磁石によって横磁場(8KG)を印加した。 (3) 偏光解析光学系; 偏光子,検光子に複屈折プリズムを用いた偏光解析装置を試作した。この装置では消光比は2×【10^(-7)】に達した。ホモダイン検出方式においては入射光楕円率あるいは検光子方位角の制御が重要である。本研究では種々の位相板を検討して楕円率を【10^(-4)】〜【10^(-3)】の範囲で変化させることが可能となった。 (4) 信号処理系; フォークト信号光,光源レーザ光を検出して、それぞれの信号強度をAD変換してパソコンを用いて規格化,平均化処理を行った。 2.性能試験、評価 以上の装置を用いて Na原子D線を対象として信号強度の光源波長依存性(信号プロフィル)を測定した。プロフィルの入射光楕円率、検光子方位角依存性を測定した結果、実測値は従来の理論でよく説明できることが確認された。この結果にもとづいてホモダイン方式での検出感度を最大にする楕円率,方位角を決定することができた。
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