1985 Fiscal Year Annual Research Report
サブミクロン表面分析用高輝度Zr-W.T.F.電子銃の試作
Project/Area Number |
60850015
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
越川 孝範 大阪電気通信大学, 工, 教授 (60098085)
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Keywords | 高輝度電子銃 / ジルコニウム |
Research Abstract |
購入したZr-Wエミッターを、今回新らたに試作設計した電子銃ヘッド部にとりつけ、高安定T.F.放射特性について一連の実験を行った。試作した電子銃ヘッド部は、0.5mmφの孔径のシットキーシールド電極をもっており、この電極前面より、0.5mmだけエミッター先端がつき出た状態で、高圧を印加し、前面に設置された螢光板(陽極)上で、エミッションパターンならびにエミッション電流を観測した。エミッションの先端は、長時間安定性の視点より、0.8mm径のものを用い;ショットキーシールド電極はエミッターに対して、OVに設定して出来るだけ強電界がエミッター先端にかかるように配慮した。実験条件は次のとうりである。まず、電子銃ヘッド部を超高真空エミションパターン観測装置(<【10^(-9)】Torr)に保持して、〜1800Kで数秒間フラッシングを行った後、エミッター温度を、〜1500Kに保持して、5-6KVの高圧を印加し、エミッションパターンを観察すると同時にエミッション電流を測定した。このような実験をエミッターを大気にさらせた後も何度かくり返すことによって、熱電界エミッション特性が非常に安定し、再現性も良いことが確認できた。特に、真空度が【10^(-8)】Torr領域でも十分安定なエミッション特性を示すことから、高輝度電子銃として十分実用に出来るとの結論を得た。さらに現在、0.2mm径のZr-Wエミッターについても同 の特性実験を行っており、より高輝度の電子源が得られるかどうかについて検討中である。 今後は、この電子銃ヘッド部を当研究室に設置されている複合表面分析装置のオージェSEM部にマウントして、実際にサブミクロン領域のオージェ分析を実現するための検討を行う予定である。
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