1985 Fiscal Year Annual Research Report
磁性流体を用いた磁気浮揚研磨法による高能率研磨装置の試作研究
Project/Area Number |
60850022
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
谷 泰弘 東京大学, 生技研, 助教授 (80143527)
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Keywords | 研磨 / 磁性流体 / 磁気浮揚 / 永久磁石 / 構造解析 / 磁場解析 / 研磨装置 / 鏡面加工 |
Research Abstract |
磁場勾配中の磁性流体内に非磁性体が存在していると、その非磁性体を低磁場側に排出する磁気浮揚現象が生じる。通常使用されている砥粒が非磁性体であることに着目し、本研究ではこの磁気浮揚現象を利用して砥粒を磁性流体上層に浮揚させ、砥粒が流体支持された形態の研磨法を提案している。この高精度を達成しうる研磨法(磁気浮揚研磨法)の高能率化を図ると共に、この研磨法の加工特性を実機に近いレベルで調査するために、この研磨法による高能率研磨装置を試作し、その実用性を検討するのが、本研究の目的とするところである。 このため、本年度は第一に研磨装置の静剛性解析を行い、主軸先端における変形をできる限り小さくするために、対称構造の門型構造を採用することを決定した。これにもとづいて研磨装置各部の形状を決定した。次に加工に必要と考えられる駆動軸数およびその能力を推定し、その機能を果たしうる機械要素を選定した。 この研磨法に対して最も重要なのが、磁石の選定である。当初研磨装置のコラムを磁気回路とする電磁石により、所要の磁場を得ることを試み、磁性体と非磁性体を組み合わせた磁気集中による方法について簡便な装置により実験を行った。その結果、永久磁石を使用せずに磁気浮揚研磨に必要となる高い磁場を得ることは困難であることが判明した。永久磁石については、希土類磁石のSm-Co系磁石について検討を行ったが、それよりも倍程度強いエネルギ積を持つNd-Fe-B系磁石の安定な供給が可能になったことを知り、現在この永久磁石により磁気回路を構成することを検討している。 以上のように研磨装置本体の構造については決定し、既に搬入をおえている。今後磁気回路とのマッチングおよび最適な磁場形状の選択を行ない、次年度前半には研磨装置を完成し、加工実験および装置の精度調整を行う予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 日本機械学会論文集(C編). 51-471. (1985)
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[Publications] 潤滑. 30-7. (1985)
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[Publications] 砥粒加工研究会会報. 29-231. (1985)