1985 Fiscal Year Annual Research Report
大面積三次元金型の高速微細加工(抵抗体電極による放電仕上加工)
Project/Area Number |
60850027
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
斎藤 長男 豊田工業大学, 工, 教授 (60148343)
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Keywords | 放電加工 / 光沢面加工 / 静電容量 / 抵抗体電極 / 加工面粗度 / シリコン電極 / 抵抗分割 / セラミックス電極 |
Research Abstract |
本研究は、半導体などの抵抗体を電極とした放電加工によって数百【cm^2】の面積を持つ金型キャビティに対して、迅速かつ精細な仕上加工を実用化しようとするものである。 昭和60年度は上記抵抗体としてシリコン電極の他に各種のセラミックスを用いた加工実験を行い以下の結果を得た。 1. シリコン電極による基礎実験。アンチモンをドープしたシリコンウェーハ(比抵抗=0.1〜2Ω・cm)による仕上加工では、275【cm^2】までの面積に対し1.6μm〜2μmRmaxの加工面粗度が得られた。上記の比抵抗の範囲では、面粗度に大きな相異は見られない。ただし、厚さまたは比抵抗の異なる抵抗体を複数貼り着けて構成した電極を用いた場合には、それぞれの違いにもとづくと思われる加工面粗度の差異が観察された。従って実用電極においては、抵抗体膜の厚さおよびその比抵抗の均一性が必要であることが判明した。 2. 多結晶性抵抗材料による電極構成。上記1.におけるシリコン電極は単結晶材料から得たものであるが、多結晶抵抗体の効果を確認するため、亜酸化銅焼結体、炭化珪素セラミックス(SiC)などによる仕上加工を試みた。その結果、特にSiC電極においては数+【cm^2】の面積で数μmRmax程度の面粗度が得られ、抵抗体電極による効果は多結晶性材料においても顕著であることが判った。ただしこのような多結晶性材料においては材料自体の不均一性や多孔性等による放電のむらが生じ易く、焼結段階等における改善を必要とする。 3. 電極構成に関する基礎実験。放電加工中における極間距離および加工反力の実測を行なった結果、極間距離は仕上加工条件で数μmと極めて小さいことが判明し、これに伴なう加工反力は数+【cm^2】の電極で数+kgfに達している。これらの事から仕上加工条件においては電極および加工機コラムの静剛性にも留意する必要がある。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 電気加工技術. Vol.9-No.25. (1985)
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[Publications] 昭和60年度精機学会春季大会講演論文集. Vol.2. 469 (1985)
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[Publications] 昭和60年度精機学会春季大会講演論文集. Vol.2. 471 (1985)
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[Publications] 昭和60年度精機学会秋季大会講演論文集. Vol.2. 369 (1985)
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[Publications] 電気加工学会東海支部シンポジウム. P.1-19 (1985)