1985 Fiscal Year Annual Research Report
壁面せん断応力動的計測用dual film probeの実用化
Project/Area Number |
60850034
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
益田 重明 慶応義塾大学, 理工, 助教授 (90051664)
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Keywords | 壁面せん断応力 / ホットフィルム / 定温度形熱線風速計流体計測 / 動的計測 |
Research Abstract |
壁面せん断応力計測に用いられる接着形ホットフイルムの欠点である、壁面への熱伝導損失に基づく静特性および動特性の劣化を改善するために、Dual Film Probeを試作し、改善効果について調べた。 ポリイミドフィルムの両面にニッケル薄膜をスパッタリングにより形成し、一方をセンサフィルム、他方をガードフィルムとし、それぞれ定温度形熱線風速計を用いて一定温度に保った。この供試フィルムを二次元直線流路の十分発達した乱流中に、センサフィルム上面が壁面と一致する様に接着した。センサとガードの間隔(ポリイミドフィルムの厚さ)は100μm,50μm,25μmの三種類とした。 上の配置のもとにまず圧力こう配法により求めた壁面せん断応力とセンサ出力の関係を求めた。その結果、ガードフィルムを加熱し過ぎると、検定結果の直線性が著しく損われることがわかった。次に、壁面の外側の温度を変化させた時の出力変化について調べ、ガードフィルムを加熱することによって出力変化は軽減されること、壁温依存性を消去できる最適ガード温度は、センサ、ガード間隔が小さいほど低いことが明らかとなった。 さらに、流路下流端に設けた回転バルブによって発生させた脈動流中で、動特性の改善効果について調べた。その結果、ガードフィルムの加熱によって振巾劣化が改善される傾向にあること、ガード温度にはフィルムごとに最適値があり、これを超えると再び振巾減少が始まることがわかった。 以上の結果、ガードの効果は確認できたが、ガードしない場合のセンサ自体の特性がフィルムごとに大きく異なるため、センサ、ガード間隔だけでは整理できず、現状では個々のフィルムごとに最適ガード温度を求める必要があることが判明した。
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