1986 Fiscal Year Annual Research Report
壁面せん断応力動的計測用dual film probeの実用化
Project/Area Number |
60850034
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
益田 重明 慶応大, 理工学部, 助教授 (90051664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有賀 一郎 慶応義塾大学, 理工学部, 教授 (40051172)
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Keywords | 壁面せん断応力 / ホットフィルム / 動的計測 |
Research Abstract |
壁面せん断応力の計測に用いられる接着形ホットフィルムの欠点を改善し、簡便な測定法として実用化することを目的として、センサーフィルムの下面に温度制御用の第2のホットフィルムを取り付けたデュアルフィルムプローブを提案し、その製作、性能試験および数値シミュレーションを行った。性能試験は平行平板間の非定常チャンネル乱流中で行ったが、規準となる壁面せん断応力の瞬時値を求めるために、まず壁面近傍の瞬時速度分布の測定を行った。熱線プローブを壁面から一定の距離に置き、その出力を回転弁からの周期信号によって周期的にサンプルした。その結果、壁面近傍では各瞬間ごとに速度分布は直線性を保っていることが確かめられ、これより壁面せん断応力の瞬時値を求められることがわかった。そこで、これを基準として性能試験を行うこととした。 次に、基材の性質、センサー・ガード間の間隔、それらの温度差としてどの様な組合わせが最適かを知るために、数値シミュレーションを行った。壁面近傍の流れが周期的に変動しているとして、対流・伝導複合問題をエネルギ式の差分化により解析した。動特性の劣下の様子はシミュレーションによっても再現できた。しかし、ガードフィルムを加熱した場合の特性の改善は数値シミュレーションの結果としては現在までのところ現われていない。これは、数値シミュレーションではホットフィルム全面が一定温度に保たれているという条件を課していることによると思われ、今後、フィルム面内での温度分布、したがって抵抗値分布を考虜に入れた計算を行う予定である。
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