1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60850068
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉川 潔 京都大学, 原研, 助教授 (00027145)
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Keywords | イオン源 / ホールアクセラレーター / 大電流低電圧ビーム |
Research Abstract |
低電圧ホールアクセラレーターの設計にあたり、従来の高電圧(20kV)ホールアクセラレーター(HAPID)の放電特性を、十分圧力を制御して詳細に調べた結果、放電モードには三通りのモードが存在し、またこれらのモードに対応した加速電流・電圧特性のあることが判明した。これらのモードは印加電圧、印加磁場、圧力に強く依存するので、得られた最新の実験結果を本研究に反映させ、より高性能なものとするため、本研究に用いるホールアクセラレーターには陽極、陰極の中間に中間電極を設けた。さらに2:1の強度比を有する強磁場部を設けて、基本的に陽極近傍の第一段部で電離、第二段部で電子抑制を行なう方式とした。また場合によっては第二段のみで電離加速も行なえるよう、設計にあたっては、多くの方式の運転が可能となるように留意した。中間電極の位置は極めて重要なため、2次元の磁場解析コードを開発し、その結果より中間電極位置がカスプ部上部端になるようその位置を決定した。空間的なビームエネルギー強度分布を測定するため、1cm間隔で3mm中の小孔をもつ10個の受熱素子からなるカロリメーターを製作し、稼動中のHAPIDの引き出しビームを用いてその特性を調べ1W/【cm^2】程度のビーム迄精度よく測定出来る事を確認した。 実験結果解析用シミュレーションコードについては、ビーム軌道追跡用2次元コードの整備も終り、電位測定結果を用いればビーム軌道を追跡することが可能である状況にある。 現在(3/13)の時点で、本研究用ホールアクセラレーターは、HAPIDで得られた最新の実験結果を取り込んだため、やや遅れたが、組立整備中であり、今後本年度のスケジュールに従って実験を遂行予定であり、得られた結果を待ってシミュレーション、性能評価等を行ないたい。
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