1985 Fiscal Year Annual Research Report
薄膜パターン・マスクを用いない新しいX線縮小転写露光装置の試作
Project/Area Number |
60850069
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
松村 英樹 広島大学, 工, 助教授 (90111682)
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Keywords | リソグラフィー / X線リソグラフィー / LSI技術 |
Research Abstract |
将来の超大規模集積回路(ULSI)の製作技術としてX線を用いた回路パターン転写技術、いわゆるX線リソグラフィー技術が注目されているが、従来からの方法では、パターンの描かれた2、3μm厚の薄膜マスクにX線を透過させることによりパターン転写を行なっていたので、a)パターン・マスクの製作が容易でない、b)パターンの縮小転写ができない、などの問題があった。本研究においては、厚板基板上にそれと反射率の異なる材料でパターンが描かれた「パターン反射板」にX線を当て、それからの反射X線を用いてパターンの投影転写を行なうという新しい方法を提案するとともに、理論的、実験的にその妥当性を確認することを目的としている。 まず、パターン転写実験用の既存のチェンバーに新たに「超高真空排気装置」を取り付け、SOR光源などのX線発生装置と接続できるようにした後、簡単な予備実験を行なった。また、パターン反射の際の鍵となる多層薄膜反射板の機能を測定する「多層膜測定器」とそのシステム一式を試作するとともに、理論的に本提案の方法によるパターン転写の仕様に関して検討を加えた。 その結果、1)シリコン上に金でパターンを描いたパターン反射板を用いることにより0.9μmのライン・アンド・スペース・パターンの転写のできること、2)本方法により回折を防ぐために1枚のダ円反射鏡を用いた場合には、0.1μmのライン幅転写に対応するボケ幅300Å以下に転写できる領域が0.8mmはとれること、3)レジスト感度の高くなる波長100Å程度のX線を用いる際には、本方法によるスループットは従来法を上回わる可能性もあること、などを明らかにした。
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[Publications] Riken Simposium "Ion Implanation and Sub-Micron Fabrication". 17. (1986)
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[Publications] Appl.Phys.(1986)
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[Publications] Jpn.Appl.phys.(1986)