1985 Fiscal Year Annual Research Report
身体障害者の運動機能支援用感覚フィードバックセンサの開発
Project/Area Number |
60850071
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
宮本 博幸 東京女子医科大学, 医, 助手 (80138908)
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Keywords | 運動障害 / 感覚フィードバック / 補行補助 / センサ |
Research Abstract |
歩行機能障害者(下肢の切断、筋力低下またはその制御が困難な者)には、下肢を外部からの動力により動かす他に、体重心の移動を障害者自身に知らせることは、動力歩行における歩容の安定制御に必要である。また、平衡感覚が衰えている障害者にあっては、その代行として必要であり、特に、リハビリテーションに有効である。本研究では従来、歩行系外部から測定していた物理量を障害者に装着したセンサにより得、体幹の傾き、体重心の移動等を実時間で求め、必要に応じて、これを障害者にフィードバックする平衡感覚代行センサをめざすものである。本年度は補装具に取り付け可能なセンサとして、まず体幹の傾きを求める姿勢センサと足底の接地を検出するセンサの開発を中心に行った。姿勢センサには半導体のピエゾ効果を利用した固体振動ジャイロを用いる角速度センサを応用し、2次元空間内での体重心移動を測定することを目標とした。矢状面、前額面内での傾き角は角速度を時間積分して得られるが、鉛直軸に対する傾き角を求めるための実用的な初期化が必要である。そこで重心加速度を検知するセンサの併用により角速度センサから得られる傾き角を補正することで、十分な精度を得ることができた。本姿勢センサを用い、健常者の平地歩行時の体幹の傾き角を測定し、姿勢センサとして機能することを確認した。足底の接地センサにはケーブル状の感圧導電性ゴムを用いて耐久性を改善した。体重心の移動をオフラインで求めるための基本的アルゴリズムの検証を行ない、上記姿勢センサと装具に取り付けた関節角検出ポテンショメータにより、体重心の移動を計算することが可能となった。 また、これとは別に、体重心の移動を簡易的に求めるためのハードウエア演算装置を製作し、その結果を発光ダイオードで表示するシステムを試作した。
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