1985 Fiscal Year Annual Research Report
支持棒の反射を「電波かくれみの」で抑制した「電磁界測定用プローブ」の開発
Project/Area Number |
60850072
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
末武 国弘 神奈川大学, 工, 教授 (40016241)
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Keywords | 電波かくれみの / 電磁波工学 / ダイポールアンテナ / フェライト |
Research Abstract |
研究目的 電子レンジ内の電磁界分布とか、特殊形状の各種アンテナの電流分布やその近傍の電磁界の測定などに、プローブとして微小ダイポールアンテナやループアンテナが用いられているが、その「支持棒」や「引出し線」が被測定電磁場を乱して、これまでは精密な測定を行なう場合の支障となっていた。 この研究は、本研究者のアイデアによる「電波かくれみの」の考え方を適用し、このプローブの支持棒(出力取り出し線を含む)に細いフェライトパイプを被せ、これによって到来電波に対するインピーダンスを高め、電磁界分布の測定の際の支持棒の悪影響を極力小さくするプローブアンテナを開発試作することを目的とする。 研究成果 1.フェライト材 TDK製の5種のフェライト材の複素透磁率を実測し、その値の大きいものとしてIB001を選び出した{μr=23-j0.1(350MHz)} 2.電波かくれみのの効果 これを確かめるため、松下電器KKの大型電波暗室を借用し、その内に、送信受信アンテナ(それぞれS、R)を対向して設置し、Rの近くにそれと平行に金属棒Lを設け、RとLとの距離を変化させながら、Rの受信電界強度Erの変化を測定した。Erの大きさと位相はSからの直接波とLからの反射波の干渉によって変化し、そのベクトル軌跡は理論上円形となる。実測の結果、金属棒とこれにフェライトを被せた場合の効果の違いが大きく現われ、後者の場合、上記円形軌跡の直径が殆ど零となり、そのデータから導体棒のインピーダンスが約10倍大きくなることが分かった。 3.プローブアンテナの特性 目的とするプローブアンテナを試作し、これにフェライトパイプを被せた場合と被せない場合の特性を実測した結果、前者の方が指向特性、位相特性共に理想に近いものとなり、初期の目的が達せられた。(来年度の予定:ループアンテナの開発と測定)
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Research Products
(1 results)