1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60850097
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
川本 トシカ 名大, 工学部, 教授 (80023018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
京谷 孝史 名古屋大学, 工学部, 助手 (00186347)
市川 康明 名古屋大学, 工学部, 助教授 (30126833)
亀村 勝美 大成建設(株), 係長
近藤 達敏 応用地質(株), 部長
浅岡 顕 名古屋大学, 工学部, 助教授 (50093175)
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Keywords | 不連続性岩盤 / 損傷場 / 有限要素法 / 現位置調査 / 岩石試験 |
Research Abstract |
岩盤の力学挙動は断層や節理など各種規模の不連続面の影響を受け極めて複雑である。したがって、岩盤構造物の合理的な設計・施工を行うためにはこれら不連続面の影響を正しく評価することが非常に重要なことであるが、従来、岩盤の無数の不連続面を合理的に取り扱える力学理論は存在しなかった。本研究は、岩盤に分布する不連続面に対し損傷の概念を導入することによって、複雑な岩盤の力学挙動を応力,ひずみ,損傷の3つの力学変数を用いて説明する損傷力学理論を構築し、この理論の枠組みのもとに、原位置岩盤の調査法、母岩材の構成則の決定法から岩盤構造物の変形,破壊挙動を予測する数値解析法および岩盤の原位置試験や施工時の計測データを設計にフィードバックしてより合理的な設計,施工への変更を可能ならしめる逆解析法までの一連のシステムの確立を目的として進めて来た。そして、基礎理論である損傷力学理論の枠組みの構築およびその数値解析プログラムの開発は既に終え、その成果は国際会議や雑誌に発表して来た。また、原位置岩盤の写真からマイクロコンピューターによって不連続面を損傷テンソルに定量化するシステムも開発した。本年度は、1)これら一連のシステムの適用性の検証を目的に、実際の地下発電所用の空洞を対象に岩盤の写真から不連続面を損傷テンソルで定量化し、開発したプログラムで変形解析を行って実測データと比較検討を行ってシステムの妥当性を確認した。2)また、より精度の良い岩盤の損傷量の決定および動態観測施工を可能ならしめることを目的として、写真からの不連続面の情報と岩盤試験の結果から損傷テンソルを固定する逆解析プログラムを開発した。3)さらに、損傷場を動的問題にまで拡張し不連続性岩盤の地震時の挙動を解析するプログラムのプロトタイプを開発した。4)岩盤中の浸透流を扱うために、応力場と浸透場の連成問題の基礎理論を検討した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Kyoya: Proc.5th Int.Conf.Numerical Methods in Geomechanics.vol.1. 469-480 (1985)
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[Publications] 京谷孝史: 材料. 35. 472-477 (1986)
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[Publications] T.Kawamoto: Proc.Int.Conf.Computational Mechanics. vol.2. IX27 (1986)
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[Publications] T.Kyoya: Proc.Int.Symp.Engineering in Complex Rock Formations. 506-513 (1986)
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[Publications] T.Kyoya: Proc.6th Int.Cong.Rock Mechanics. (1987)
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[Publications] Toshikazu Kawamoto: Int.J.Numerical and Analytical Methods in Geomechanics.