1986 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60850101
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
芦田 和男 京大, 防災研究所, 教授 (30027205)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤田 豊明 京都大学, 防災研究所, 助手 (60027258)
高橋 保 京都大学, 防災研究所, 教授 (40027230)
江頭 進治 京都大学, 防災研究所, 助教授 (00027286)
水山 高久 建設省, 土木研究所, 主任研究員
矢沢 昭夫 建設省, 土木研究所, 室長
|
Keywords | 砂防ダム / 不透過性砂防ダム / 水通し幅 / 土砂流出調節 / 掃流砂 / 透過性砂防ダム / 土石流 / 土石流の制御 |
Research Abstract |
本研究は、砂防ダムの機能を土砂水理学的手法に基づいて明らかにし、ダムの設計法と配置法のための基礎を与えようとするものであり、つぎの三つの分担課題、すなわち、1.現有施設における資料収集とその解祈、2.ダムの侵食防止機能、3.ダムの土砂流出調節機能からなっている。以下、本研究によって得られた成果を要約する。 1.天竜川水素小渋川において、不透過性砂防ダム郡の資料(降雨,河床変動,河床材料)を収集・解析し、ダム上・下流域の河床変動の実態を把握している。さらに、神通川水系足洗谷において、透過性砂防ダムによる土石流の変化に関する観測研究を実施し、興味ある知見を得ている。 2.ダムの侵食防止機能については水路実験をもとに検討した。その結果によれば、その機能は、ダムによる河床勾配の減少に伴い、流れの侵食力が低下することによって発揮されるばかりでなく、流路形態の変化にも依存することが判明した。 3.ダムの土砂流出調節機能については、不透過性ダムと透過性ダムを対象として、理論、実験の両面より検討している。不透過性砂防ダムに関しては、洪水流のもとにおける掃流砂を対象として、ダム推砂形状や流出土砂量の時間変化に対する水通し幅の影響を明らかにした。一方、透過性砂防ダムに関しては、土石流を対象として、ダム前後における土石流の流量、流砂量および粒度分布の変化に対する格子間隔の影響を明らかにした。 4.以上の研究成果をもとに、砂防ダムによる堆砂形状の変化過程や流出土砂量の変化過程を追跡するための数学モデルを考案した。これは、流砂形態やダムの型式によらず適用される可能性をもっている。ついで、ダムの機能評価基準の一つとして、流入土砂量ピークに対する流出土砂量のピーク値の逓減率を考え、洪水波形,土石流の波形,ダムの型式(透過,不透過,水通し幅,格子間隔)によるその算定法を明らかにした。
|
-
[Publications] 芦田和男: 京都大学防災研究所年報. 28号B-2. 337-351 (1985)
-
[Publications] 水山高久: 土木技術資料. 27-10. 549-554 (1985)
-
[Publications] 澤田豊明: 土木学会年次学術講演会概要集. 2部. 367-368 (1986)
-
[Publications] 芦田和男: 京都大学防災研究所年報. 30号B-2. (1987)
-
[Publications] 芦田和男: 京都大学防災研究所年報. 30号B-2. (1987)