1985 Fiscal Year Annual Research Report
引抜き試験法の開発と構造体コンクリートの品質管理システムの提案
Project/Area Number |
60850107
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森田 司郎 京都大学, 工, 教授 (30025902)
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Keywords | コンクリート強度管理 / 引抜き試験 / アンカーボルト / 非破壊試験 / コーン破壊 / コンクリート強度試験法 / 構造物試験 |
Research Abstract |
研究実施計画に基づいて、引抜き試験によりコンクリート強度を推定する上での影響要因について調査した。さらに、小型試験装置を試作し、それを用いて実施建築物の構造体コンクリートの強度を推定し慣行の管理方法による強度と比較して、構造体コンクリートの強度管理にとって有効な試験法であることを確認した。現在までの研究内容の進展を本年度の研究実施計画に従って順に述べると次の通りである。 1.壁形およびスラブ形の実大供試体について、引抜き試験とコアーシリンダー試験、供試体内埋込シリンダー試験、コントロールシリンダー試験を実施して、コンクリート打設条件、材令、調合、養生等の影響を広範囲に調査した。この場合にスラブ上面引抜き試験を考案した。 2.従来実施して来た大型引抜き試験に対して小型試験を試行し、その寸法については現場実験を重ねることによって、ほゞ成案を得た。 3.表面と内部の強度差については、温湿度をコンクリート内部で測定するための計測方法の検討から始めているが、計画より遅れている。 4.ギヤー式、油圧式、トルクレンチ式の合計3タイプの小型試験装置を試作した。トルクレンチ式は現場実験で有効に使用している。 5.超音波法と一部比較実験を開始しているが、計画よりは重点を他に移して実施しているので、この項の実験は今のところ少ない。 6.後付けアンカーボルトのうちで、拡頭式と樹脂式を併用するアンカーボルトの開発の見通しを付けて、現在実施中であり、応用可能とみている。 7.実構造物についての実施については、計画より大幅に重点を置いて先行実施した。高強度コンクリート使用超高層現場および大型プレキャストスラブ製造現場において、構造体コンクリート強度の管理に実用して、多くのデータを蓄積することができた。
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