1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60850108
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
水畑 耕治 神戸大学, 工, 教授 (20031065)
|
Keywords | 杭基礎 / 起振機実験 / 衝撃実験 / 杭周地盤の剛性低下 / 杭周地盤の剥離 / 杭基礎のモデル化 |
Research Abstract |
建築構造物の最適耐震設計を行うには、地盤の的確なモデル化のもとでの地盤-構造物連成系の地震応答解析が必要である。ことに、杭基礎に対する地盤の動特性に関する研究は他の分野に比べ未解決の部分が多く残されている状態である。杭基礎の適切なモデル化を提案する目的で、本年度は以下の研究を行ってきた。 1.理論的研究として、杭基礎-地盤系の振動特性を薄層要素法により解析している。ことに、杭周近傍の地盤には土の非線形性による剛性低下や剥離の生じる可能性が強いので、杭と周辺地盤との間に境界域を設け、そこでの剛性低下および剥離が杭基礎の振動特性に及ぼす影響について検討した。その結果、境界域の剛性低下は杭基礎系の共振振動数を低くさせるが、共振振幅は必ずしも増加させるとは限らないことおよび境界域の剥離は共振振動数の低減ならびに共振振幅の増加をもたらすことが判った。 2.実験的研究としては、まず、杭基礎の振動実験に関する既往の研究結果を整理したところ、杭の形式、地盤の種類により共振振動数および共振振幅の異なることが明らかになった。 3.直接基礎および杭基礎の起振機実験および衝撃実験にA/Dコンバータを内蔵したパーソナル・コンピュータを導入し、実験データの解析をリアルタイムで行えるようプログラムの開発を行ってきた。これにより、データの読取り誤差が少く、良質なデータ解析が可能となっている。 4.本年度は、杭の無い直接基礎および根入れ基礎に対する振動実験ならびに衝撃実験を行い、地盤の動特性に関するデータの蓄積を計っている。これは、杭の有無による地盤の動特性を検討するためで、次年度に行う予定の杭基礎のデータと比較するための基礎資料となるものである。
|