1985 Fiscal Year Annual Research Report
視環境の総合評価システムとその測定装置の開発に関する研究
Project/Area Number |
60850110
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
中村 洋 名古屋工業大学, 工, 助教授 (10024209)
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Keywords | 視環境 / 光環境 / 視環境の評価 / 視環境の評価基準 / 六面照度計 / 水平面照度 / 鉛直面照度 / ベクトル照度 / スカラー照度 / 平均円筒照度 / シルエット現象 / 窓際のモデリング / モデリング |
Research Abstract |
本年度の研究計画は、大まかに列記すると、1.各種の視環境の評価方法の検討と本研究で目標とする視環境の評価方法の指標と基準の検討、2.六面照度計の理論的検討と設計、および、試作、3.六面照度計の試験的な供用である。これらのうち本年度の研究として、最初に重点的に試みたのは2.である。1.について、在来の視環境の評価方法を、(1)実験者や被験者の主観的判断だけによる方法(質問紙など)、(2)実験者や被験者の生理的能力による方法(視力など)、(3)光の物理的性状と別に定めた基準との対応による方法に大別した。本研究の方法は六面照度計との関連があり、必然的に(3)に分類される。検討の結果、六面照度計が関与する光の物理的性状の指標は、水平面照度、主要な向きの鉛直面照度(窓向き、室の奥向きなど)、ベクトル照度、近似的なスカラー照度と平均(半)円筒照度である。これらによって、水平面照度、シルエット現象、窓際のモデリング、モデリング、かげの評価、体育館などの空間照度の評価が可能であることが判明した。このために、六面照度とベクトル照度、スカラー照度、平均円筒照度の関係を理論的に解明した。その結果、従来の評価基準の修正方法の目安が得られた。また、不快グレアの評価に利用できる可能性も考えられた。2.と3.に関しては、六面照度計を設計し試作した。しかし、検討の結果、受光部の余弦補正と視感度補正、測定部の電子回路(特に温度補償回路)などを自作するのは相当に困難であることが判明したので、これらについては、既製の照度計(TOPCON IM-3)の部品を転用した。計算部については、実際の供用試験で改良の必要が生じることが予想できたので、現在は市販のハンドヘルドコンピュータに、このために作成したプログラムをロードしている。試作の六面照度計は昭和60年の末に完成して、現在、供用試験と室内の光の物理的性状の検討を目的とし、長期連続測定を試みている。
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Research Products
(1 results)