1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60850111
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
斎藤 平蔵 東京理科大学, 理工, 教授 (50010575)
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Keywords | 排水立管 / 排水の流れ性状 / 排水管内圧力変動 / 排水管路内部抵抗 / 排水回路網 |
Research Abstract |
排水システムのトラップ封水を保護する上で、最も大きい影響を及ぼすのは立管を流れる排水で生ずる管内圧力変動である。本研究は、その力学的性質を明らかにすることが目的である。今年度の実験は、JIS-DT継手使用の立管に、1階から逐次9階(30m)迄の各階から定流量の排水を加えた。管内圧力分布を【◯!1】域)通気流入部,【◯!2】域)横枝管からの流入で合流部に生じた最大負圧,【◯!3】域)負荷階下方でしばらく最大負圧を生じている部分,【◯!4】域)管内圧力が、下端迄の間直線的に変化する部分の4つに分け観察した。定常時における管内圧力分布は、管内排水の落下速度とそれによって吸引される空気の速度との間の摩擦によると思われる。よって各部分での内部抵抗を求めた。【◯!1】【◯!2】域については、昨年度までに、おおよその知見は、得ている。今年は、最も基本となる【◯!4】域の内部抵抗の算定を行った。すなわち、【◯!1】域の伸頂通気管部分に抵抗のない場合とここに既知抵抗をつけた場合の負荷流量と通気流量の関係から、理論解析を行い、【◯!4】域の摩擦抵抗を算出し、これを1m当りの抵抗値として整理できた。なお今後【◯!1】域については実用設計に用いる各種ベントキャップの抵抗値、【◯!2】域については、継手の種類別、例えば、特殊継手による固有の抵抗値を調べなければならないが、JIS-DT継手については、今年度実験結果から、【◯!1】【◯!2】【◯!3】【◯!4】域での諸抵抗は、体系化できたことになる。手法としては、上部に抵抗のない場合の内部抵抗値を基に、負荷流量と負荷階を指定すれば、その時の通気流量も決まり定量的に各階の管内圧力値が算定できる。その結果は、実測の管内圧力分布と比較し、実用上さしつかえない精度で十分一致した。 以上より、最終目標となる排水回路網内で生じる管内圧力の算定とそれを用いた設計法の提案のための解析の見透しがほぼついた。
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Research Products
(2 results)