1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60850124
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐野 信雄 東京大学, 工, 教授 (50010749)
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Keywords | 強塩基性フラックス / 高精錬能スラグ |
Research Abstract |
S60年度は(1)高精錬能を持つと考えられる各種フラックス(CaO-Ca【F_2】,CaO-【CaCl_2】,BaO-Ba【F_2】,【Na_2】O-Si【O_2】,【K_2】O-KCl系など)を対象に【CO_2】ガスの溶解度を測定し、その温度ならびに【CO_2】分圧依存性も調べる。(2)上記フラックスの特に脱りん能を中心に精錬能(りん分配比:Lpやフォスフェイトキャパシティ:【Cpo(^(3-)_4)】)を測定するなどを主眠に置き一連の実験を行い、次のような結果を得た。上記(1)に関する実験では、研究補助費で購入した丸型高温炉を用い、【i】)【K_2】O-Si【O_2】,【Na_2】O-Si【O_2】,【Li_2】O-Si【O_2】系スラグ、【ii】)【Na_2】O-NaF,【Na_2】O-【SO_3】,【Na_2】O-【P_2】【O_5】,【Na_2】O-Cr【O_3】系スラグ、【iii】)【K_2】O-KF,【K_2】O-KCl,【K_2】O-KBr,【K_2】O-【K_2】I系スラグ、【iv】)CaO-【Al_2】【O_3】,CaO-Ca【F_2】,BaO-Ba【F_2】系スラグ、【v】)【Na_2】O-Si【O_2】-FeO-Fe【O_(1.5)】系スラグ等を対象に【CO_2】の溶解度を調べた。なお大部分の実験は温度1200℃、【Pco_2】1atm一定の条件で行ったが、一部は温度(1200〜1500℃),【Pco_2】(0.2〜1atm)適宜変えて、それらの影響を調べる実験も行った。その結果、いずれのスラグ系においても塩基性成分が増大するにつれて【CO_2】の溶解度が増大した。また【i】)系のスラグによる実験から、アルカリ金属酸化物の塩基性が【K_2】O>【Na_2】O>【Li_2】Oの順に弱くなること、【ii】)系のスラグでは、【P_2】【O_5】<Si【O_2】<【SO_3】,Cr【O_3】の順で塩基度が強まることがわかった。更に【iv】)系スラグによる実験からBaO系の方がCaO系よりも高塩基性であることがわかった。(2)に関する実験では、CaO-Ca【F_2】-Si【O_2】系スラグを基本対象として、Fe-P合金との平衝実験を行い、りんの平衝分配比(Lp)、フォスェイトキャパシティ(【Cpo(^(3-)_4)】を測定した。この系のスラグでは高CaO領域で大きな【Cpo(^(3-)_4)】を持ち、特にCaOと3Cao・Si【O_2】の両固相飽和組成で、最大【10^(25.7)】の値を得た。またこのスラグに少量の【Na_2】Oを添加することにより、Lpが急激に増大し、【Na_2】O約2wt%の添加で10倍になった。(1),(2)の実験で評価したカーボネィトキャパシテイ(【Cco(^(2-)_3)】)と【Cpo(^(3-)_4)】との間で良い相関々係が認められ、【CO_2】溶解度が限られた濃度範囲では、十分塩基度の尺度として使用可能であることがわかった。
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Research Products
(2 results)