1985 Fiscal Year Annual Research Report
粉末冶金法による高強度アルミニウム合金圧延板の製造に関する基礎的研究
Project/Area Number |
60850127
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
渡辺 てる尚 早稲田大学, 公・私立大付置, 教授 (20063315)
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Keywords | 粉末冶金 / アルミニウム合金 / 圧延板 |
Research Abstract |
粒度-100メッシュの7091系窒素ガス噴霧合金粉(組成、Zn6.5,Mg2.6,Cu1.6,Co0.4,Si0.11,Mn0.003,Al残)を密度比75%の圧粉体とし、排気管付きのアルミニウムカプセル中に封入したのちに、脱ガス処理した。脱ガス条件は眞空度【10^(-5)】〜【10^(-7)】torr,加熱温度380〜500℃、時間1/3〜24hrである。脱ガス後に温度360〜450℃で加圧力3t/【cm^2】、5min保持することによってホットプレスし、ビレットを伴った。ビレットはさらに360〜450℃で圧下率約88%の熱間圧延と圧下率67%の冷間圧延によって、1mm厚の薄板となった。この薄板試験片はT6の熱処理をほどこされたのち、水素ガス分析、引張試験および顕微鏡組織観察などに供された。 結果は次のとおりであった。 水素ガス分析結果は、高温長時間の脱ガス処理ほど水素ガス量が低かった。しかし溶融法による一般の同類合金薄板の水素ガス量約0.15cc/100gに比較すると、本試料は約15cc/100gで、約1けた高い。上記脱ガスでは原料粉の表面【Al_2】【O_3】被膜の結合水が十分に取り切れないためである。 本試料の引張強さは64kgf/【mm^2】,伸びは10〜12%が得られ、またこのときの脱ガス条件は460℃,1hrであった。ちなみに溶融法による一般の同類合金薄板7075系(T6)の引張強さは約59kgf/【mm^2】で、伸びは約11%である。 本試料の合金結晶粒径は脱ガス条件に支配されることがわかった。すなわち、460℃,1hrでは合金地からの【Co_2】【Al_9】粒子の析出状况がもっとも微細かつ多量で、そのために結晶成長がさまたげられ、したがってもっとも結晶粒径が細かく、機械的性質が良好であった。 以上の成果は、昭和60年11月に粉体粉末冶金協会秋期大会において公表された。
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