1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60850130
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
新原 晧一 東北大学, 金材研, 助教授 (40005939)
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Keywords | セラミックス / 破壊強度 / 破壊靭性 / アルミナ系複合材 / 高靭化機構 / 強靭化機構 / ウィスカー強化 / 粒子分散複合材料 / CVD材料 |
Research Abstract |
化学気相(CVD)法によって合成したSiC及び焼結法で製造した【Al_2】【O_3】系複合セラミックスに関して以下に示したような多大の成果が得られた。それらの成果を基にして、特に【Al_2】【O_3】系セラミックスの場合は、株式会社リケン工業で、各種の機械部品として試作を開始している。 1.不純物相のない理想的な結晶粒界を持つ【Si_3】【N_4】,SiCの合成に成功した。この材料は約1000℃以上で強度と靭性が増大する。 2.SiCの結晶粒内に積層欠陥を導入することによって靭性を改善する新しい高靭化機構を見出した。この方法によって通常のSiCよりも靭性が約3倍も高いSiCの合成に成功した。 3.【Al_2】【O_3】に平均粒径2μmのSiCを5vol%分散させることによって 【Al_2】【O_3】の靭性と強度を約1.5倍向上させることに成功した。また、これによって【Al_2】【O_3】の熱衝撃破壊抵抗も大巾に改善された。 4.【Al_2】【O_3】にSiCを分散させることによって、1200℃まで強度が減少しないことも明らかになった。 5.【Al_2】【O_3】に15vol%のZr【O_2】と15vol%のSiCウィスカーを分散させた複合体の作製に成功した。この材料の破壊靭性と破壊強度は、それぞれ8.5MN/m3/2,1200MPaであった。これらの値は【Al_2】【O_3】単味の値の3.1MN/m3/2,400MPaに比べ約3倍も高い値である。 6.このような靭性と強度の改善によって、【Al_2】【O_3】の熱衝撃破壊抵抗は約2倍も向上した。すなわち、水中急冷に耐えうる臨界温度差が 250℃から450℃へと約2倍も向上した。 7.また、このような靭性の改善によって、切断や機械的研摩等による表面損傷抵抗が著しく改善された。条件によっては、機械的研摩によって強度が逆に20%も向上することが判明した。 8.【Al_2】【O_3】にSiCを分散させることによって、遅れ破壊の制御が可能であり、それによって寿命が約2倍も延びることがわかった。
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[Publications] Journal of American Ceramic Socoety. 67-1. (1984)
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[Publications] Bulletin of American Ceramic Society. 63-9. (1984)
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[Publications] Fracture of Mechanics of Ceramics. 7. (1985)
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[Publications] 窯業協会誌. 94-1. (1986)
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[Publications] 窯業協会誌. 94-8. (1986)