1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60850133
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
村上 陽太郎 関西大学, 工, 教授 (90025750)
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Keywords | 銅基形状記憶合金 / 結晶粒微細化 / 超急冷凝固 / 粉末冶金法 |
Research Abstract |
銅基形状記憶合金(Cu-SMA)の最大の欠点は結晶粒度が粗大化し易く、粒界破壊が起り易く性能が劣化することである。超急冷凝固法(RS法)によって結晶粒微細化を行ない、靱性の向上をはかり、NiTi系合金に匹適するCu-SMAを開発するため、従来の研究の鋳塊冶金法(I/M)法で25μm程度の結晶粒度が得られることが判明しているCu80-Al12-Ni5-Mn3合金を基礎にして、これにV,Ti,M.M.を添加した場合としない場合について単ロール法でRS法でテープを作り、as-splat材、眞空高温焼結後熱間押出材、これをさらに熱間線引した材料について、ミクロ組織を光学(OM)、走査型(SEM)および透過型(TEM)電子顕微鏡法、EPMA、制限視野電子線回折法(SAD)を用いて調べ、引張試験を行ない、破断面のSEM観察を行う。一方で電気抵抗測定法によって変態諸元に及ぼすミクロ組織、結晶粒度の影響等の検討を行なった。本年度中に得られた成果を列挙すると次の通りである。(1)RS法によって上記の元素を添加した場合にはサブミクロンのマイクロクリスタリン組織の極めて微細な結晶粒組織が得られる。(2)as-splat試料を800°Cおよび850°Cに加熱しても、VあるいはTiを主とする第2相化合物の微細分散によって結晶粒の成長は、ほゞ完全に抑制され、数μm以下に制御できる。TEM観察により分散粒子のピン止め作用が有効であることが示された。(3)テープを切断したものを高温加圧焼結後730°C熱間押出材の結晶粒度も5μm以下は抑制され、とくにV1%、Ti0.5%添加試料では2〜3μmにとゞまった。(4)変態諸元は結晶粒度微細化と微細第2相の分散によって、かなりの温度低下を示した。また第2相形成により母相固溶体中の元素の濃度変化により若干の温度上昇を示した。(5)結晶粒微細化により、加工性は改善されるが、引張試験による破壊面は剪断破壊の様相と微小ディンプルを示した。(6)各種変態点の粉末の混合による変態諸元の制御を検討している。
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Research Products
(2 results)