1985 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
60850141
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
松岡 英明 東京農工大学, 工, 助教授 (10143653)
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Keywords | ゲート機能膜 / イムノアッセイ / 香料トレーサー / タンパク質膜 |
Research Abstract |
がんの早期発見や肝炎患者の肝機能検査を始め、種々の病気の診断にはイムノアッセイが利用されている。現在、最も実用的とされているラジオイムノアッセイは放射性廃液の問題があるため、これに代わる方法の開発が強く要望されている。本研究はタンパク質単分子膜のゲート機能を利用した全く新しい原理に基づくイムノアナライザーの開発を目的としており、本年度は以下に示す成果が得られた。 〔1〕 イムノアナライザー設計・製作・機能試験:円錐型反応容器ユニットを試作し、これを別途試作した手動型液面コントローラーに装着して、液面固定条件で〔2〕,〔3〕の実験を行なった。 〔2〕 抗体(イムノグロブリンG)膜のゲート特性解析;ベルサリドを飽和させたリン酸緩衝液(10mM,pH7.0)水面に抗体溶液(140μg・【ml^(-1)】)を10μlずつ展開させ、それに伴う匂い強度の変化を調べた。匂いの消失時点をゲート閉状態とし、ゲートを閉じるのに要する抗体の面積密度を試算した結果1.78μg・【cm^(-2)】であった。 〔3〕 C.albicans免疫分析の条件検討:30℃で前培養したC.albicans懸濁液1滴をスライドグラス上に採り、これに高濃度の抗体を加え顕微鏡で凝集反応を観察することによって抗体活性を確認した。次にC.albicans懸濁液5mlに抗体50μl(500μg・【ml^(-1)】)を添加し、30℃で10分間反応させた。〔2〕の方法で反応液中の未反応抗体濃度を求めた結果、C.albicans【10^3】〜【10^5】個・【cm^(-1)】程度の濃度範囲で免疫分析が可能であることがわかった。なお、菌体濃度は比色計で測定した。 〔4〕 液面移動及び試料注入系機能試験:一例としてオリーブ油液膜の水透過に対するゲート特性に着目し、湿度センサーを導入することによって液面移動及び試料注入系統の機能試験を行なった。その結果ゲートの可逆的な開閉条件の検討が必要と結論された。
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Research Products
(1 results)