1986 Fiscal Year Annual Research Report
アルコールの脱水素型新規触媒反応の開発とその精密有機合成への応用
Project/Area Number |
60850155
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村橋 俊一 阪大, 基礎工学部, 教授 (60029436)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西野 賢貴 東レ株式会社, 研究開発企画部, 主席部員
今田 泰嗣 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (60183191)
直田 健 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (20164113)
細川 隆弘 大阪大学, 基礎工学部, 講師 (90029520)
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Keywords | ルテニウム触媒 / アルコール / 脱水素反応 |
Research Abstract |
申請者らがその緒端を見いだしている、アルコールを遷移金属錯体触媒で活性化する手法を用い、アルコール類からの新規合成法の開発研究とファインケミカルス合成への応用について検討を行なった。 1.低原子価ルテニウム錯体触媒によるアルコールからのエステル、ラクトン化反応を応用し、ポリエステル類の合成研究を行なった。その結果、1、3-,1、6-等の脂肪族直鎮ジオールから分子間脱水素縮合によりポリエステルが得られた。 2.ルテニウム触媒によるジオールからのラクトン合成において非対称置換ジオールから下式に示すように相当するラクトンがレジオ選択的に得られることが判った。 3.エステル化反応の原理を応用しルテニウム触媒存在下アルデヒドとアルコールを反応させると相当するエステルが得られる。この際水素受容体としてα、β-不飽和ケトンを共存させることにより非対称エステルが選択的に得られることが判った。 4.新しい触媒プロセス開発の試みの1つとしてオレフィンとアルコールよりオキソ反応を経由したエステル合成の可能性について、パラジウム錯体を触媒に用い検討を行なったところ、予想した生成物は得られず、電子吸引性置換基を持つオレフィンからはマイケル型付加物(【R^1】【CH_2】【CH_2】【OR^2】)が選択的に生成することが判った。
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[Publications] S.-I.Murahashi: J.Org.Chem.51. 898-901 (1986)
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[Publications] S.-I.Murahashi: J.Am.Chem.Soc.108. 7846-7847 (1986)
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[Publications] T.Hosokawa: J.Org.Chem.52. (1987)
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[Publications] S.-I.Murahashi: J.Org.Chem.