1985 Fiscal Year Annual Research Report
ソバの新品種育成と化学成分および栽培特性の比較検討
Project/Area Number |
60860002
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
足立 泰二 宮崎大学, 農, 助教授 (50040861)
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Keywords | ソバ / 新品種育成 / 特性比較 |
Research Abstract |
ソバの低収・不安定性に起因する諸問題解決のため人為四倍体を作出し、新品種"みやざきおおつぶ"として登録された。本年からは宮崎・鹿児島・徳島の各県で奨励され普及するに至っている。本品種の栽培法を確立し、同時に化学成分の品種特性を明らかにしようとして本研究を展開している。 本品種の中から自殖性の高いホモスタイルを選抜し、内婚系統を作出する作業を進め、本年はすでに第4自殖世代を得、組合せ能力を検討する段階に達した。 栽倍特性の比較として、二倍体原品種とみやざきおおつぶを供試し施肥2水準、播種密度2水準を設定し、葉面積、乾物重、子実収量について調査した。葉面積は多肥区が標準肥区を上回り、乾物重は多肥標準密度区で最大乾物重を得た。同区の収量は311Kg/aを示し、二倍体の標準栽培区に対し180%の増収を示した。 また硼素施用による稔性向上をねらって、0.5Kg/10a区と1.0Kg/10a区の2施用区の収量を調査したところ1.0Kg/10a施用区で7%の増収効果が認められ、今後の栽培体系の立案に参考資料を得た。 化学特性として本年は脂質に関する調査を九州産のみやざきおおつぶ、宮崎在来と東北産の信濃一号、階上早生を比較した。総脂質および総脂肪酸含量は九州産2品種の方が高く、その組成ではオレフイン酸がリノール酸より多く含まれているのに対し、東北産では逆の関係にあった。また製粉後1週間で脂質、脂肪酸には九州・東北産とも変化は認めなかった。
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