1985 Fiscal Year Annual Research Report
アルコールガスとエチレン吸収剤によるカキ脱渋の簡易化に関する研究
Project/Area Number |
60860004
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
林 真二 鳥取大学, 農, 教授 (90032052)
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Keywords | 脱渋 / アルコールガス / エチレン吸収剤 / 炭酸ガス / 平核無 / ポリエチレンフィルム |
Research Abstract |
1.アルコールガスとエチレン吸収剤による脱渋方法の確立 一般に行われている炭酸ガス脱渋と同じ処理日数でしかも果実の品質と日持性を高める脱渋方法を検討した。「西条」では果実15kg当り粉沫アルコール120g、エチレン吸収剤60gを果実とともに0.05mmポリエチレンフィルムに密封し、温度30℃で処理すると炭酸ガス脱渋と同じ処理期間である3日間で完全脱渋した。「平核無」では粉沫アルコール、エチレン吸収剤とともに「西条」と同量でよかったが、温度は30℃では障害が多発するため、26〜28℃で3日間処理するのがすぐれた。エチレン吸収剤は完全脱渋までの時間を長くするが、脱渋完了後の日持性を高める効果が著しく、本法の実用性を一段と高めた。 2.アルコールガス脱渋と炭酸ガス脱渋の品質比較および黒変防止 炭酸ガス脱渋果は、カキ特有の風味がそこなわれ、処理後果肉の軟化と表皮の黒変、果肉のゴマ斑発生がみられて急速に品質が低下した。これに対してアルコールガスとエチレン吸収剤による脱渋果は、脱渋後も果皮の着色が進み、カキ特有の芳香と食味を維持し、さらに日持性が著しく向上した。処理後の果皮黒変は、処理中の温度が低く、脱渋に4日以上かかった場合に発生することが明らかとなり、処理温度を「西条」では30℃、「平核無」では26℃にすることにより防止できた。 3.アルコールガスと炭酸ガス併用処理による脱渋期間の短縮 粉沫アルコールによるアルコールガス脱渋は処理期間が最低3日間必要なため、炭酸ガスを併用することで処理期間を短縮できるかどうか検討した。併用処理により処理期間の短縮が可能であることが判明したが、処理後の果実の風味が低下し、また日持性もわるくなる欠点が認められた。
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